研究課題/領域番号 |
14204001
|
研究種目 |
基盤研究(A)
|
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
金銅 誠之 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 教授 (50186847)
|
研究分担者 |
土屋 昭博 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 教授 (90022673)
藤原 一宏 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 教授 (00229064)
梅村 浩 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 教授 (40022678)
坂内 健一 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 助手 (90343201)
宇沢 達 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 教授 (40232813)
|
キーワード | 3次曲面 / モジュライ空間 / 複素ボール / K3曲面 / 自己同型群 / Leech格子 |
研究概要 |
1)複素3次曲面のモジュライ空間の不変式論を用いた代数的構成はよく知られている。最近、Allcock, Carlson, Toledoは3次曲面から自然、に5次元アーベル多様体を構成し、その周期を使って3次曲面のモジュライ空間が4次元複素ボールの算術的部分群による商空間に同型であることを示した。研究代表者はDolgachev, van Geemen両氏との共同研究で、3次曲面にK3曲面を対応させ、K3曲面の周期を用いてAllcock達と同様の結果を得ることに成功した。 また研究代表者はDolgachev氏との共同研究で、ある標数2の超特異K3曲面の具体的な構成を行った。アイデアはLeech格子と呼ばれる特別な格子の有限幾何を用いるもので、自己同型群も計算でき正標数独特の非常に美しい対称性を持った曲面である。正標数でこれだけ具体的なことが分かる例は初めてと考えられる。また標数0の場合の向井氏によるK3曲面に作用する有限群の分類にはおさまらない新しい例になっている。この方法を用いて正標数のK3曲面に作用する有限群の研究に着手しており、いくつかの例を構成した。 2)平成14年9月2日〜9月5日に名古屋大学大学院多元数理科学研究科において国際研究集会「Discrete Groups and Moduli」を主催した。アメリカ合衆国(3名)、カナダ(1名)、ドイツ(2名)、イタリア(1名)、英国(1名)、オランダ(2名)、韓国(1名)からの合計11名の海外参加を含む約70名の参加があり、本研究課題のモジュライを中心にした講演および活発な討論が行われた。 また平成14年10月21日〜10月25日に本研究課題に密接に関係した代数幾何学シンポジウムが城崎で開催されたが、補助金よりこの研究集会をサポートした。シンポジウムは若手研究者を中心とした100名を超える参加があった。
|