研究課題/領域番号 |
14204001
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
金銅 誠之 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 教授 (50186847)
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研究分担者 |
梅村 浩 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 教授 (40022678)
土屋 昭博 名古屋大学, 大学院多元数理科学研究科, 教授 (90022673)
吉川 謙一 東京大学, 大学院数理科学研究科, 助教授 (20242810)
藤野 修 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 助教授 (60324711)
伊藤 由佳里 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 講師 (70285089)
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キーワード | モジュライ / 保型形式 / Del Pezzo曲面 / K3曲面 |
研究概要 |
種々のモジュライ空間が$K3$曲面の周期理論を用いることで複素超球の算術商として記述できることを研究してきたが、今年度は特に射影直線の8点のモジュライ空間が複素超球の算術商として記述できる事およびDeligne-Mostowの研究との関連を明らかにした。さらに、この複素超球は構成方法より自然にIV型有界対称領域に埋め込まれている。この場合に、IV型有界対称領域上の保型形式を複素超球に制限する事で、8点のモジュライ空間の射影モデルを与え、これが古典的に知られた8点のCross ratioを用いた射影モデルと一致することを示した。8点のモジュライ空間に関しては、松本・寺杣によるテータコンスタントを用いた研究があるが、これとも密接に関係した結果である。IV型有界対称領域上の保型形式を用いた代数幾何学の研究はあまり際立った成果は得られておらず、今後、この方法で様々な例を構成しこの方面の研究に寄与できればと考える。また4次のDel Pezzo曲面の場合にも$K3$曲面の周期を用いた一意化に成功した。この場合は、4次のDel Pezzo曲面に位数5の自己同型を持つ$K3$曲面を対応させることがアイデアである。この複素超球の算術商もDeligne-Mostowの理論に現れるが、Deligne-Mostowの理論の$K3$曲面の理論を用いた再構成への端緒になると期待できる。 また正標数の$K3$曲面にシンプレクティックに作用する有限群の新たな例を構成し、正標数の$K3$曲面に作用する有限群の分類への一つの足がかりを築いた。
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