研究課題/領域番号 |
14204008
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
数学一般(含確率論・統計数学)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
重川 一郎 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (00127234)
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研究分担者 |
熊谷 隆 京都大学, 数理解析研究所, 助教授 (90234509)
日野 正訓 京都大学, 大学院・情報学研究科, 助教授 (40303888)
会田 茂樹 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 教授 (90222455)
小倉 幸雄 佐賀大学, 理工学部, 教授 (00037847)
白井 朋之 九州大学, 大学院・理学研究院, 助教授 (70302932)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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キーワード | 確率解析 / ブラウン運動 / Wiener空間 / 対数Sobolev不等式 / スペクトルの跳び / Schrodinger作用素 / Littlewood-Paley不等式 / Riemann多様体 |
研究概要 |
代表者の研究は、無限次元空間を中心に拡散過程の研究を進めている。幾何的な考察も有効であるため、Riemann多様体の場合も平行して研究を進めている。ここで扱った問題はLittlewood-Paleyの不等式の確率論的な証明、生成作用素の平方とグラディエント作用素とのL^pノルムの同値性、Schrodinger作用素の本質的自己共役性、スペクトルの跳びなどである。生成作用素とグラディエント作用の交叉性を基本として解析を行った。そのためには空間の性質によらない方法が必要であり、特に関数解析的な手法が有効である。一般的な枠組みでは対数Sobolev不等式の仮定の下で、交叉関係の非可換な部分に指数可積分性を仮定して行った。また境界のあるRiemann多様体の場合も考察し、境界の凸性を仮定して同様の結果を得た。 また、Wiener空間上でL+V(LはOrnstein-Uhlenbeck作用素)の形のSchrodinger作用素を考察した。本質的自己共役性、定義域の特徴付け、スペクトルの跳びなどのための十分条件を与えた。さらにSchrodinger作用素に対し、Littlewood-Paleyの不等式の証明も行い、ポテンシャル項Vも考慮に入れた形で定式化を行い、従来の結果を一般化した。この手法はRiemann多様体上のHodeg-Kodaira作用素にポテンシャルを付け加えた形でも証明することが出来る。 なお、この科研費では多くの研究集会を開催し、支援を行った。以下主なものは述べる。2002年度に数理解析研究所のプロジェクト研究「確率解析とその周辺」の支援を行い、McKean, Ustunel, Rocknerなどの研究者招聘を行い、研究交流を促進して。また2003年、2004年にはサマースクールを開催、多くの学生の参加を得て活発な研究交流を行うことができた。さらに毎年シンポジウム「確率過程とその周辺」を開催し、確率論全体での研究交流を行った。全体で24個の研究集会を開催し、外国人研究者14人を招聘し多くの成果を上げることができた。
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