研究分担者 |
齋藤 政彦 神戸大学, 理学部, 教授 (80183044)
佐々木 武 神戸大学, 理学部, 教授 (00022682)
高野 恭一 神戸大学, 理学部, 教授 (10011678)
増田 哲 神戸大学, 大学院・自然科学研究科, 助手 (00335457)
山田 泰彦 神戸大学, 理学部, 教授 (00202383)
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研究概要 |
項目毎に,超幾何・パンルヴェ系に関する本年度の研究実績の概要を記す. 1.可積分系の観点からの表現論的研究: 野海・山田は,パンルヴェ方程式P_<VI>に対してアフィンリー環so^^^∧(8)による新しいラックス形式を構成し,P_<VI>のW(D^<(1)>_4)対称性に一つの群論的根拠を与えた.増田は,P_<VI>の特殊解について,アフィンワイル群対称性に基づく解析を行い,超幾何型特殊解および梅村型の特殊解の行列式表示を得た. 2.モジュライ空間の観点からの幾何学的研究: 齋藤は,岡本・パンルヴェ対の代数幾何的考察を基礎として,パンルヴェ微分方程式が超幾何型特殊解を持つ場合のパラメータの幾何的特徴付けを行った.また岩崎とともに,P_<VI>のモノドロミー多様体と,シュレジンガー型微分方程式のモジュライ空間の代数幾何的記述に関する研究を推進した. 3.離散可積分系・離散パンルヴェ系とその拡張: 梶原・野海・山田は,A型のアフィンワイル群対称性をもつ新しい離散可積分系とqパンルヴェ系を定義し,qKP階層からの由来を明らかにした.さらに,その超離散化を考察することにより,ロビンソン・シェンステッド・クヌース対応の組合せ論と離散戸田方程式の内在的な関連を明らかにした. 上記の成果のほかに,今年度は,射影空間の点配置空間に作用するクレモナ変換群と,それに付随する離散系の研究に大きな進展が見られた.特に,射影平面の9点配置に伴うE_8^<(1)>型楕円差分パンルヴェ系と,楕円差分超幾何方程式_<10>E_9との関連が解明されつつある.
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