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2003 年度 実績報告書

超光度X線天体のブラックホール仮説の検証

研究課題

研究課題/領域番号 14204014
研究機関東京大学

研究代表者

牧島 一夫  東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (20126163)

研究分担者 久保田 あや  宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究本部・宇宙圏研究系, 特別研究員(PD)
国分 紀秀  東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (50334248)
キーワードブラックホール / 宇宙X線 / 降着円盤 / 科学衛星 / 大気圏外観測 / 近傍銀河 / コンプトン散乱
研究概要

近傍の渦巻銀河には異常に明るいX線の点源が見られ、20年来の謎となってきた。我々はそれらをULX (Ultra-Luminous X-ray Source;超光度X線天体)と名づけ、「あすか」衛星を用いて観測した結果、それらが太陽の数十倍から数百倍の質量をもった新種のブラックホールであるという独創的な解釈を提唱するに至った。本研究の目的は、この解釈を観測から検証することにある。本年度は昨年度に続き研究を進め、以下のような成果を得た。これらはいずれも、ULXのブラックホール仮説を強めるものである。
1.チャンドラおよびXMMニュートン衛星の公開データを用い、近傍銀河の中にあるULXの研究を進め、状態遷移の例数を増やした。これにより、昨年度に提唱した「MCD型ULXはスリム降着円盤状態、PL型ULXはコンプトン円盤状態に対応する」という考えをさらに強化した(Kubota et al. 2004)。
2.理化学研究所などと協力し、ガンマ線バーストの観測的研究を進めた(Urata et al. 2003)。その結果、ULXとガンマ線バーストの関連が示唆されつつある。
3.ブラックホール新星、ULX、および狭線セイファート銀河を、降着率の高いブラックホールという立場で統一的に解釈する描像を推し進め(Makishima et al. 2003)、とくに狭線セイファート銀河の軟X線超過成分を、ULXとの類推で解釈した。
4.ハワイの「すばる」望遠鏡に観測時間を確保でき、2月10〜12の3夜、代表的な.ULXであるM81 X-6の、光学対応天体の光学観測を行った。現在、データ解析を進めている。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Aya Kubota, Kazuo Makishima: "The Three Spectral Regimes Found in the Stellar Black Hole XTE J1550-564 in Its High/Soft State"Astrophysical Journal. Vol.601. 428-438 (2004)

  • [文献書誌] K.Ebisawa, P.Zycki, A.Kubota, T.Mizuno, K.Watarai: "Accretion Disk Spectra of Ultraluminous X-Ray Sources in Nearby Spiral Galaxies and Galactic Superluminal Jet Sources"Astrophysical Journal. Vol.597. 780-797 (2003)

  • [文献書誌] Y.Urata, T.Miyata, S.Nishiura, T.Tamagawa, R.Burenin, T.Sekiguchi, S.Miyasaka, C.Yoshizumi, J.Suzuki, H.Mito, Y.Nakada, T.Aoki, T.Soyano, K.Tarusawa, S.Shiki, K.Makishima: "Early (<0.3 Days) R-Band Light Curve of the Optical Afterglow of GRB 030329"Astrophysical Journal Letters. Vol.601. L17-L19 (2004)

  • [文献書誌] K.Makishima, M.M.Murakami, M.Sugiho, H.Takahashi, A.Kubota, Y.Kobayashi: "Intermediate mass Black Holes, and their Relation with AGN"Active Galactic Nuclei : from Central Engine to Host Galaxy, Eds. : S.Collin, F.Combes and I.Shlosman. ; Astronomical Society of the Pacific Conference Series. Vol.290. 383-340 (2003)

  • [文献書誌] 牧島一夫, HETE-2チーム: "ガンマ線バーストの正体に迫る"理化学研究所ニュース. 262・04. 2-4 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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