研究課題/領域番号 |
14204023
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
岩下 芳久 京都大学, 化学研究所, 助教授 (00144387)
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研究分担者 |
横谷 馨 高エネルギー加速器研究機構, 加速器研究施設, 教授 (40141973)
黒川 眞一 高エネルギー加速器研究機構, 加速器研究施設, 教授 (90044776)
熊田 雅之 放射線医学総合研究所, 加速器物理工学研究部, 主任研究員
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キーワード | リニアーコライダー / 最終集束レンズ / 飽和鉄 / 超強力永久磁石 / 四極磁石 |
研究概要 |
今年度は前年度製作した超強力永久磁石四極レンズの温度特性など、詳細な測定をおこなった。この測定は米国スタンフォードリニアーアクセレレーターセンター(SLAC)と共同で研究を行うことになり、測定を先方と共同で行った。この結果に基づき、MS-1という磁気特性の温度補償を行う材料を用い、磁石全体の温度補償を試みた。この結果、ほぼ、シミュレーション通りの結果が得られた。温度を変化させながら測定することは、測定装置自身の温度も変動し、様々な要因の誤差が混入するのが避けられない。とくに、ローテーションコイルの素材がガラスエポキシであるため、これの吸湿による膨潤なども懸念されたが、これらの問題もSLAC側と検討を重ねることにより、解決されつつある。 ビームオプティクスからの要請として強度を可変させる必要があるが、これは全体を複数の小さな四極磁石に分けておき、お互いを90度ステップで回すことにより、全体のレンズとしての強度を可変することで実現できる。この原理を用いて、強度可変型の超強力永久磁石四極レンズを今年度新たに製作した。単純に輪切りにする構造だと各回転磁石の機械的誤差が直接磁場中心などの変位となるため、さらに内輪と外輪に分け、内輪を固定し、外輪を回転することとした。これにより、影響の大きい部分が固定されるため、機械的誤差の影響を減らすことができる。また、これにははじめから温度補償回路を導入した。これの性能評価は16年度にSLACに持ち込み、行う予定である。 測定に関してはこれまで測定場所などの確保の問題からSLACとの共同で測定を行っているが、営繕要求が認められ今年度新しく、空調の付いた独自の測定室が用意できた。今後、自前の測定器を用意し、手元で様々な測定を行う準備をしている。
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