研究課題
基盤研究(A)
超強力永久磁石は従来から使われてきたHalbach型配列を拡張したもので、永久磁石だけではなく、軟磁性体も部分的に配置することにより、従来の永久磁石磁気回路より強力な磁場を発生させる事が出来る。超電導技術を使うことなく、現在常温で5.5T以上の磁場を定常的に発生できる。ダイポールにおいては超電導磁石の到達強度が超強力永久磁石のそれを勝っているが、多極磁場に於いては超電導磁石はコイルの巻き枠やクライオスタットなどのデッドスペースのため、強度の点ではそれほど優位性を示さない。そこで、超強力永久磁石を用いた四極磁石のリニアーコライダー用最終集束レンズへの適用の可否について研究を行った。初年度には四極磁石における超強力永久磁石の原理の実証を行うため、固定型の四極磁石を製作した。これを共同研究を行っているSLACに持ち込んで測定し、世界最高磁場勾配の達成を確認した。次年度には集束系を構築するために必要な可変性を持たせるために二重リング構造を導入した磁石を製作した。これはリニアーコライダーの最終集束で重要な磁場中心のずれを減らすため、内輪を固定したまま、外輪を回転させる構造である。さらに、スキュー成分の混入を避けるため外輪の回転角を0度と90度に限定した。この磁石も製作後、SLACに持ち込んで測定し、翌年度にかけてその測定を行った。最終年度にはこの可変型磁石の内輪を再製作し、更に高勾配にする実証を行っている。また、測定はこれまでSLACと共同で行っていたが、独自に測定できるように測定装置の構築も行っている。
すべて 2006 2004
すべて 雑誌論文 (6件)
IEEE trans. Appl. Superconductivity Vol.16, #2
ページ: 224-227
IEEE Transaction on Applied Superconductivity 16(2)
IEEE trans. Appl. Superconductivity Vol.14, no.2
ページ: 469-472
ページ: 1287-1289
IEEE Transaction on Applied Superconductivity 14(2)