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2003 年度 実績報告書

超強磁場下の放射光X線磁気散乱研究

研究課題

研究課題/領域番号 14204037
研究機関独立行政法人理化学研究所

研究代表者

勝又 紘一  独立行政法人理化学研究所, 量子磁性材料研究チーム, チームリーダー (90002104)

研究分担者 金道 浩一  大阪大学, 極限科学研究センター, 教授 (20205058)
萩原 政幸  独立行政法人理化学研究所, 磁性研究室, 副主任研究員 (10221491)
田中 良和  独立行政法人理化学研究所, X線干渉光学研究室, 先任研究員 (90250109)
鳴海 康雄  大阪大学, 極限科学研究センター, 助手 (50360615)
キーワード放射光X線磁気散乱 / 磁場中相転移 / 強磁場 / 反強磁性体 / 量子スピン / メタ磁性 / スピンパイエルス転移
研究概要

当課題においては、SPring-8からの高エネルギーX線を用いた測定を超強磁場中で行い、量子効果が顕著な磁性体やフラストレート磁性体などにおける磁場誘起秩序相の磁気構造を決定し、その解析から磁性体の量子現象やフラストレーション効果についての知見を得ることを目的としている。
本年度は、X線回折用としては世界最高の15テスラ超伝導マグネットを用いて、SPring-8のBL19ビームラインにおいていくつかの量子磁性体の磁場中における相転移をX線回折法により研究した。また、パルス磁場発生のテストを行った。主要な成果は以下の通りである。
1.スピンパイエルス物質CuGeO_3単結晶について、磁場中でX線回折測定を行った。スピンパイエルス系においては、低温で非磁性のダイマー状態に磁場をかけると不安定になり、臨界磁場(CuGeO_3では約12テスラ)で相転移が起こり、結晶格子とは非整合なブラッグピークが出現する。今回、その磁場依存性を15テスラまで測定することに成功した。臨界磁場直上では非整合ピークは強い温度依存性を示すが、15テスラの磁場中では温度に殆ど依存しないことが明らかとなった。これは、強磁場が非整合相を安定化させるためとして説明できる。
2.スピン1/2を持つ銅イオンが交換相互作用で結合した系Cu_2(C_5H_<12>N_2)_2Cl_4は、量子効果により低温・低磁場で非磁性状態となるが、高磁場をかけると磁気秩序が生じることが以前の研究から分かっていた。この磁場誘起相転移の際に、スピンと格子の結合により格子変形が起こるであろうと理論的に予想されていた。我々は、Cu_2(C_5H_<12>N_2)_2Cl_4の単結晶について、X線実験としては世界記録の0.04ケルビンという超低温度での測定に成功し、7.3テスラの磁場で格子変形が起こることを観測した。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 鳴海康雄: "The Coexistence of Magnetic Phases at the First-Order Phase Transition of a Metamagnet FeCl_2・2H_2O Studied by X-ray Diffraction"Journal of Physics : Condensed Matter. 16,7. L57-L63 (2004)

  • [文献書誌] 勝又紘一: "Synchrotron X-ray Diffraction Measurements in Applied Magnetic Fields"Physica B. 345,1-4. 49-54 (2004)

  • [文献書誌] 鳴海康雄: "Observation of a Transient Magnetization Plateau in a Quantum Antiferromagnet on the Kagome Lattice"Europhysics Letters. 65,5. 705-711 (2004)

  • [文献書誌] 勝又紘一(分担執筆): "High Magnetic Fields Science and Technology Theory and Experiments I"World Scientific. 271 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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