研究課題/領域番号 |
14204039
|
研究種目 |
基盤研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物理学一般
|
研究機関 | 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構 (2004) 高エネルギー加速器研究機構 (2002-2003) |
研究代表者 |
永嶺 謙忠 高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 教授 (50010947)
|
研究分担者 |
下村 浩一郎 高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 助手 (60242103)
西山 樟生 高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 教授 (50164611)
石田 勝彦 理化学研究所, 先端中間子研究室, 副主任研究員 (70176189)
鳥養 映子 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 教授 (20188832)
|
研究期間 (年度) |
2002 – 2004
|
キーワード | 蛋白質 / 生体高分子 / 分子内電子伝達 / 血液磁性 / 脳研究 / ミュエスアール / ヘモグロビン / ビームチャンネル |
研究概要 |
素粒子ミュオンには、他のいかなる粒子にもない、きわめて特異で便利な特性がある。寿命が2.2マイクロ秒で、放射性粒子で、高エネルギーの陽電子、電子を放出する。その際、スピン偏極現象という磁気センサーの特性がある。我々は、このミュエスアール法を次の2つの方向で用いることにより、生命科学研究が可能になることを証明することが出来た。 (1)ミュオン電子ラベリング法による生体高分子中の電子伝達の観測。加速器施設で得られるMeVもの高エネルギーの正ミュオンを生体高分子のようなソフトな物質に導入すると、減速中に電子を捕らえ熱エネルギー化して、その状態から分子と化学結合する性質がある。この性質を利用して、連れてきた電子の運動を高感度磁気センサーによって観測出来る。 (2)高感度磁気プローブによる血流磁性の観測。ミュエスアール法の磁気センサーの高感度性を駆使して、血液中のヘモグロビンの磁性を感知し、オキシ、デオキシ状態を知る方法で、生体機能、特に脳研究などへの展開が可能になる。 これらのミュオン生命科学研究の展開には、加速器から得られるミュオンビーム技術やミュエスアール測定装置など実験装置開発と表裏一体となった進展が、不可欠である。 この基盤研究では「学術的成果」として次の成果があった。1)ミュオン電子ラベリング法を用いて水溶液蛋白質中の電子伝達の実験研究の初めての成果があった。2)DNA中でのミュオン電子ラベリング法の実験結果を理解するための新しい提案を行った。3)血液の磁性をミュオンで調べる実験が成功をみた。ミュオンビーム技術の発展に伴って今後の大きな展開が期待される。 「装置開発成果」として次の成果があった。1)大強度パルス状ビームに対するミュエスアール測定を可能にする126チャネル多重分割型ミュエスアール測定装置の設計・製作・試験を完成させた。2)当基盤研究に先駆けて製作され、当研究で1部のアップグレードを行った大オメガ(大立体角軸収束超伝導表面ミュオンチャネル)が発展した。
|