研究分担者 |
川方 裕則 京都大学, 防災研究所, 助手 (80346056)
佐藤 隆司 産業技術総合研究所, 地球科学情報研究部門, 研究グループ長
小笠原 宏 立命館大学, 理工学部, 教授 (40213996)
山内 常生 名古屋大学, 大学院・環境学研究科, 助教授 (80022713)
中尾 茂 東京大学, 地震研究所, 助手 (90237214)
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研究概要 |
南アフリカ共和国のMponeng鉱山,Tau Tona鉱山において,地震計・歪計・変位計のアレイからなる観測網の展開を始めた.2つの鉱山をフィールドとしたのは,観測網の冗長性を高めて,M3クラスの地震を取り逃がすことが無いようにするためである. Mponeng鉱山の地下3170m付近,Pretorius断層では,2003-2004年度にかけて断層近傍まで採掘が行われ,断層上でM3クラス以上の地震が発生する可能性が大変高い.M3クラスの発生が予想される地点から500m程度の範囲に多数の強震計,加速度計,速度計を設置する.3種類のセンサーを用いるのは,M3クラスの強震動を至近距離で振り切れることなく記録するためと,その前後の微小地震による微弱な信号を精度良くとらえるためである.石井式歪計は,予想震源の極近傍の4地点に配置する.最初のフィールドであったWestern Deep Levels鉱山の観測では,歪計は分解能が12bitで1分サンプリングであったが,今回は24bit25Hzで記録することにより,微小な変化をとらえることが可能である.さらに,断層変位計は,断層をまたいで2地点に設置し,断層運動による変位を直接計測する.断層変位計は2種類のセンサーを組み合わせることにより高ダイナミックレンジを達成し,M3クラスの地震による大きな変位,およびその始まりの微小な変位の両方をとらえることが可能である.当初の予定では,今年度中にセンサーを設置する予定であったが,地上へデータを伝送するケーブルの設置等が遅れ,センサー設置完了は来年度早々となる予定である.Tau Tona鉱山においても,2003-2004年度にかけて採掘が行われる断層の近傍に,地震計・歪計を設置する. 2003-2004年度にかけて,M3クラスの地震が発生し,その準備過程が精度良くとらえられることが期待される.
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