研究課題/領域番号 |
14204041
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
歌田 久司 東京大学, 地震研究所, 教授 (70134632)
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研究分担者 |
清水 久芳 東京大学, 地震研究所, 助手 (70302619)
上嶋 誠 東京大学, 地震研究所, 助教授 (70242154)
日比谷 紀之 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (80192714)
川口 勝義 特別認可法人海洋科学技術センター, 研究員
三ヶ田 均 特別認可法人海洋科学技術センター, 研究副主幹 (10239197)
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キーワード | 地球電場 / 地球磁場 / 海底ケーブル / 外核 / ダイナモ / システム開発 / 海流 / 電気伝導度 |
研究概要 |
本研究は,地球電場,すなわち外核における地球磁場発生プロセスに直接関係する電場を測定するための全く新しいシステムを開発することを目的として,3年間で実施する. その2年目である本年度には,以下の項目の研究を行った. (1)試作した観測システムを用いた実地試験観測.海洋科学技術センターの研究船「なつしま」とディープ・トウにより長さ10キロメートルの海底ケーブルおよび電場測定装置の海底への設置を試みた.この試みによって,船速1ノットによりシステムを展張できることを確認した.ディープトウから測定記録部を切り離すタイミングや,測定記録部の水中でのバランス,使用するケーブルの水中重量増加の必要性等,机上設計では良さ臆できない問題点も明らかにすることができた. (2)この試験観測の結果を受けて,システムに修正を加え,次年度に再度システムを設置し,長期間の測定を実施する予定である. (3)海流による効果推定のための海洋観測データの収集を継続して実施した.また,海洋大循環モデルと現在の地球磁場から予測される電場を計算するための数値モデルの開発に着手した. (4)キネマティックダイナモモデルによる地球電場変動の理論的見積り.海流の効果と地球電場の大きさの見積りとの比較により,黒潮の流軸など非常に強い流れが存在する場合を除けば,開発したシステムによって地球電場の検出は十分に可能であることが示された.研究成果を論文にして,国際誌に投稿し受理された. (5)塩化銀被覆銀線電極の長期テストを継続して実施した.2002年8月以来,実地観測で使用するタイプの電極の安定性のテストを行っているが,結果はドリフト量は1年半で5ミリボルト程度であり,本研究の目的達成に十分な性能であることが確認できた.
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