研究課題
基盤研究(A)
本研究課題では、ボランなどの陽性原子(M)の水素化物が関与する2水素結合錯体の特異な幾何構造をレーザー分光学的に解明して、その電子構造や反応物性の特徴を明らかにすることを目標としている。特に、特殊な赤外・紫外レーザー2重共鳴分光法を駆使して、超音速分子線で生成する気相2水素結合クラスターの振動分光解析を行って、以下の点を明らかにすることを推進した。(1)2500〜4000cm^<-1>領域の分光計測が可能な赤外・紫外2重共鳴レーザー分光計測法を確立し、クラスターイオンの赤外分光計測法を確立した。(2)今年度は、ボランの系に限定することなく、シリコン化合物も2水素結合を形成可能であることに注目して、ベンゾシラン化合物と水やアルコールとの分子間化合物を発見し、その構造を解析する。その結果、以下の新発見を行って、更に詳細な解析研究を継続している。(あ)2500〜4000cm^<-1>領域の分光計測の確立によって、水和ネットワーク構造解析が著しく進展して、プロトン付加水クラスターについて、クラスターサイズが4〜27個までを分離して赤外分光解析することに成功して、鎖状-網状-籠状と形態変化する分子間水素結合ネットワーク形成過程を解析した。(い)シリコン化合物について、ジエチルメチルシランを水素受容体として、フェノールを水素供与体とする水素結合体が少なくとも4種類の異性体を持っていることを見出した。そのうちの2種類が赤外分光解析によって、2水素結合の特性を示すことが示され、質量分析結果とともにその存在を確定することに成功した。更に量子化学計算解析を改良してその構造解析を推進している。
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すべて 雑誌論文 (16件)
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