研究課題/領域番号 |
14204070
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
機能・物性・材料
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
高野 幹夫 京都大学, 化学研究所, 教授 (70068138)
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研究分担者 |
寺嶋 孝仁 京都大学, 化学研究所, 助教授 (40252506)
東 正樹 京都大学, 化学研究所, 助教授 (40273510)
武田 保雄 三重大学, 工学部, 教授 (60093051)
野原 実 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助教授 (70272531)
草野 圭弘 倉敷芸術科学大学, 芸術学部, 講師 (40279039)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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キーワード | 高原子価 / フラストレーション / ソフトケミストリー / 高圧合成 / エピタキシャルエピタキシャル / 3d遷移金属 / 高温超伝導 / 青色発光 |
研究概要 |
1)多彩な合成法の動員:結晶性物質の探索については、実際にどのような組成と構造をもつ物質が得られるか、また得られた物質がどのような物性を示すか、いずれについても多体効果に基づく予測困難性がある。その難点を、多彩な合成手段を一挙に動員することにより軽減することを試みた。例えば、ソフトケミカルな手法により(MS)_<1+d>(TaS_2)_2(M=Sn,Pb,Sb,Bi)に水分子とNaイオンをインターカレートし、それらに超伝導を発見した。また、高圧下での単結晶育成を可能とする技術的革新を行った。 2)高原子価効果:3d遷移元素後半のイオン(特にFe^<4+/5+/6+>、Co^<4+>、Ni^<3+/4+>、Cu^<2+/3+>など酸化数の大きいもの)は深いd準位をもつ(有効核電荷が大きいため)。強くd-p混成された波動関数は空間的に広がっているので、キャリアを局在化させてしまう格子変形は起こりにくくなる。その結果、高い格子対称性から期待される興味深い物性(例えば磁気的フラストレーション)が実現されやすい。SrCo_6O_<11>がその好例となった。 3)陰イオンの有効利用:酸素とはサイズ、価数、p準位の深さに関して異なるハロゲン元素を加えた複合化により、物質群の多様化と物性の次元性制御を図った。銅酸化物超伝導体Ca_<2-x>Na_xCuO_2Cl_2が好例である。また、SrTiO_<3-δ>の思いがけない発光現象は、陰イオンの欠損4すら機能発現に寄与する例となった。 4)補助カチオンの有効利用:Bi^<3+>やPb^<2+>はO2pに近い65準位をもつので、これらを含む酸化物は3d-2p-6s系とみなすことが出来る。その結果として、しばしば、反転対称のない特異な結晶構造(格子系)が生まれる。大きな誘電分極の可能性を示す構造をもっBiCoO_3とPbVO_3の発見と強磁性強誘電体Bi_2NiMnO_6の発見が成果例である。
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