研究概要 |
本年度得られた成果の概要は以下の通りである。 1.超高圧-無溶媒反応を基軸とするチオフェン/フランのDiels-Alder反応:チオフェンと種々のマレイミド系ジエノフィルとのDiels-Alder反応に超高圧-無溶媒条件を適用することにより、高効率的変換反応を達成した。また、フランのDiels-Alder反応では、多重付加体の効率的合成法を開発した。 2.水熱反応条件下でのo-フェニルアニリン類と環状ケトン類の縮合反応:例えば、o-フェニルアニリンとシクロヘキサノンとの脱水縮合反応を水熱条件下行うことにより、全く新規な6位置換フェナントリジン関連誘導体の合成法を開発した。 3.アニリン類と環状/非環状ケトン類との縮合反応:2の反応に関連して、例えば、アニリンとシクロヘキサノンとの縮合反応によるキノリン誘導体の合成、あるいは芳香族アルキル化によるp-シクロヘキシルアニリンの合成を達成した。 4.D20中での新規芳香族D化反応の開発:2・3の反応に関連して、D20中での同様の反応を検討することにより、芳香環上のD化反応が効率的に進行することを明らかにした。 5.4置換シクロヘキシルベンゼン誘導体のシス/トランス異性化反応:重要な液晶原料である4位置換シクロヘキシルベンゼン誘導体のシス→トランス異性化反応を、超強酸であるTfOHをプロモーターとすることにより、高速かつ高効率的に実行できることを明らかにした。 6.α,β-不飽和エノン類の水中亜鉛金属による還元的二量化反応:α,β-不飽和エノンシステムを亜鉛金属存在下水中で熱することにより、効率的に還元的二量化反応が行えることを明らかにした。
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