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2003 年度 実績報告書

超高圧反応を基軸とする環境調和型有機合成反応の開発

研究課題

研究課題/領域番号 14204072
研究機関高知大学

研究代表者

小槻 日吉三  高知大学, 理学部, 教授 (80093954)

研究分担者 蒲生 啓司  高知大学, 教育学部, 教授 (90204817)
柳澤 和道  高知大学, 理学部, 教授 (90145110)
キーワード超高圧反応 / 無溶媒反応 / 水熱反応 / Diels-Alder反応 / 脱水縮合反応 / 芳香環アルキル化 / D化反応 / 異性化反応
研究概要

本年度得られた成果の概要は以下の通りである。
1.超高圧-無溶媒反応を基軸とするチオフェン/フランのDiels-Alder反応:超高圧-無溶媒条件を最強の合成手法として、チオフェンと無水マレイン酸あるいはマレイミド系ジエノフィルとの高効率Diels-Alder反応を達成した。また、フランをジエン成分とする反応ではdomino-Diels-Alder反応の収率改善を達成し、X線構造解析により生成物の構造決定に成功した。
2.超高圧-無溶媒反応を基軸とするピロールのDiels-Alder反応:1の反応に関連して、N-アセチルピロールを基質兼溶媒とするDiels-Alder反応を検討し、従来法に比較して格段の収率向上を達成することに成功した。
3.水熱条件下でのo-フェニルアニリン類と環状ケトンとの縮合反応:例えば、o-フェニルアニリン塩酸塩とシクロヘキサノンとの縮合反応を水熱条件下行うことにより、ワンステップでの6-置換フェナントリジン誘導体の新規合成法の開発に成功した。本反応を他の環状ケトンにも適用し、その一般性を確立した。
4.アニリン類のケトンとの水熱反応を基軸とする芳香環アルキル化:2の反応に関連して、例えば、アニリン塩酸塩とシクロヘキサノンとの縮合反応を行うことにより、芳香環上にシクロヘキシル化が進行することを見つけた。
5.D2O中での水熱反応を基軸とする芳香環H-D交換反応の実現:3・4の反応に関連して、D2Oを溶媒とすることにより、例えばアニリン塩酸塩を基質としたとき芳香環のH-D交換反応がきれいに進行することを見つけた。
6.4位置換シクロヘキシルベンゼン誘導体のシス/トランス異性化反応:液晶材料として重要な化合物である4-置換シクロヘキシルベンゼン誘導体のシス/トランス異性化反応をTfOHをプロモーターとする高速かつ高効率プロセスの開発に成功した。反応性の低い基質については、高圧条件を併用することにより目的の異性化反応を実現することに成功した。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] B.K.Mehta, 他3名: "Unprecedented Hydrothermal Reaction of o-Phenylaniline and Related Derivatives with Cyclic Ketones. A Novel Approach to the Construction of Phenanthridine and Quinoline Ring Systems"Organic Letters. Vol.5. 1605-1608 (2003)

  • [文献書誌] Y.Sekiguchi, 他4名: "High-Pressure-Promoted Asymmetric Aldol Reactions of Ketones with Aldehydes Catalyzed by L-Proline"Synlett. No.11. 1655-1658 (2003)

  • [文献書誌] K.Kumamoto, 他2名: "Diels-Alder Reaction of Thiophene : Dramatic Effects of High-Pressure / Solvent-Free Conditions"Angewandte Chemie International Edition. Vol.43(in press). (2004)

  • [文献書誌] 小槻 日吉三: "化学便覧、基礎編、改訂第5版(分担執筆)"丸善. (2004)

  • [文献書誌] 小槻 日吉三: "実験化学講座 第5巻"丸善(印刷中). (2004)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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