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2003 年度 実績報告書

植物間ケミカルコミュニケーションの分子生態学的基盤

研究課題

研究課題/領域番号 14204076
研究機関京都大学

研究代表者

高林 純示  京都大学, 生態学研究センター, 教授 (10197197)

研究分担者 西岡 孝明  京都大学, 大学院・農学研究科, 教授 (80026559)
山村 則男  京都大学, 生態学研究センター, 教授 (70124815)
大串 隆之  京都大学, 生態学研究センター, 教授 (10203746)
キーワード植物間コミュニケーション / ヤナギ / ヤナギルリハムシ / 揮発性物質 / テルペノイド / フェノール / 最適戦略モデル / コスト
研究概要

ヤナギ-ヤナギルリハムシ相互作用系に注目し、ヤナギが放出する揮発性物質の化学分析を行った。挿し木により、ポット植の健全なヤナギ個体の供給を確立した。これらを用いてヘッドスペースのGC/MS分析を行い、フェノール類およびテルペン類を中心とした化学物質群の組成が食害・傷害時特異的に放出されることを明らかにした。これらは健全個体や人工落葉から検出される成分プロフィールと明らかに異なっており、食害・傷害によってのみ放出される一部の化合物は誘導的に生産されるものと考えられた。なかでも、食害ヤナギから検出した一連のテルペン類はその化学構造の類似性から同じ生合成経路上で生産されることが推測された。テルペン類はリママメを含む他の多くの植物種でもケミカルコミュニケーションに利用されている知見を既に得ている。そこで、化学シグナル送信の分子機構を明らかにするため、これらテルペン生合成酵素の候補遺伝子断片をPCR法により増幅することを試み、これに成功した。現在、それらの全塩基配列決定およびRNA発現解析を進めている。一方で、被食害個体(送信者)や食害情報を受信する側の個体が形質の変化を介して植食者との相互作用に影響を与える際の植物生理応答を解明するため、防御関連遺伝子の特定と発現解析を検討している。また植物間コミュニケーションの理論モデルを構築し、植物間コミュニケーションの生態学的意義を解明した。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Yamauchi, A., Yamamura, N.: "Herbivory promotes plant production and reproduction in nutrient-poor conditions : Effects of plant adaptive phenology"American Naturalist. 163. 138-153 (2004)

  • [文献書誌] Kobayashi, Y., Yamamura, N.: "Evolution of Signal Emission by Non-infested Plants Growing near Infested Plants to Avoid Future Risk"Journal of Theoretical Biology. 223. 489-503 (2003)

  • [文献書誌] Nakamura, M., Ohgushi, T.: "Positive and negative effects of leaf shelters on herbivorous insects : linking multiple herbivore species on a willow"Oecologia. 136. 445-449 (2003)

  • [文献書誌] Inui, Y., Miyamoto, Y., Ohgushi, T.: "Comparison of volatile leaf compounds and herbivorous insect communities on three willow species"Population Ecology. 45. 41-46 (2003)

  • [文献書誌] Nakamura, M., Miyamoto, Y., Ohgushi, T.: "Gall initiation enhances the availability of food resources for herbivorous insects"Functional Ecology. 17. 851-857 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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