研究課題/領域番号 |
14205006
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研究機関 | 特殊法人理化学研究所 |
研究代表者 |
平山 秀樹 理化学研究所, 半導体工学研究室, 研究員 (70270593)
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研究分担者 |
岩井 荘八 理化学研究所, 半導体工学研究室, 先任研究員 (40087474)
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キーワード | InAlGaN4元混晶 / ワイドバンドギャップ / MOCVD成長 / Mgドーピング / 交互供給法 / 深紫外LED / フォトルミネッセンス / 電流注入 |
研究概要 |
波長250nm-350nm帯の紫外高輝度発光ダイオード(LED)、半導体レーザ(LD)は、半導体白色光源、高密度光ディスク、殺菌等の医療、化学工業、公害物質の高速分解処理等、さまざまな分野での応用が大変期待されている。しかし、波長360nm以下の高輝度LED・LDは、高輝度紫外発光材料の欠如、ならびにワイドバンドギャップp-型窒化物の欠如のため、未だ実現していない。本研究は波長300-360nmの紫外領域の高輝度発光ダイオードを実現することを目的とする。そのため、ワイドバンドギャップAlGaNにInを加え、4元混晶内でのIn組成変調効果を用いることにより、300nm帯紫外常温高効率発光、および、高濃度p型ドーピングを実現し、それらの技術を用いて300-350nm帯後期度LEDを実現する。 平成14年度は、InAlGaN4元混晶からの高効率発光と、ワイドバンドギャップ領域AIGaNへのp型ドーピングを追及した。その結果、InAlGaN4元混晶量子井戸波長から、発光波長350nmにおいて、内部量子効率15%を室温において得た。この値は、同基板上に作製したAlGaN量子井戸と比較して2けた程度高い値である。また、パルスガス供給法を用いた結晶成長を行ない、ワイドバンドギャップAlGaN結晶の高品質化を試みた。フォトルミネッセンス測定により、結晶の高品質化を確認した。パルス供給法により、ワイドバンドギャップAlGaNへのp型ドーピングを行ない、Al組成53%の高い組成において、世界で初めてホール伝導を得ることに成功した。InAlGaN4元混晶を活性層に、ワイドバンドギャップp型AlGaNをホール注入層に用いた深紫外LEDを試作した。4元混晶の組成を変えることにより308-314nmのシングルピーク発光を得た。紫外に対し透明なサファイア基板上に作製し、紫外光の高い取り出し効率を実現した。深紫外出力は、室温パルス測定において、0.4mW(314nm LED)、0.8mW(314nm LED)が得られた。
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