研究課題/領域番号 |
14205014
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
松田 理 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (30239024)
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研究分担者 |
B. Wright Oliver 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90281790)
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キーワード | 表面音響波 / ピコ秒レーザー音響法 / リアルタイムイメージング / ポンププローブ測定法 / 分散関係 / 異方性 / 干渉計 / 非破壊検査 |
研究概要 |
異方性物質における表面フォノンフォーカシング現象のイメージは、音響エネルギー伝達速度の方向依存性を反映した複雑な形状を示し非常に興味深い。また産業的な観点からは、同イメージング技術は、GHz帯表面音響波デバイス開発において中心的な役割を果たすと期待される。異方性物質におけるMHz-GHz領域の表面フォノンフォーカシング現象の動画的観測を行うことにより、表面音響波の分散関係、複雑なナノスケール構造をもつ試料(表面音響波デバイス)における音響波伝播についての多くの知見が直接的に得られることが期待される。われわれが開発を進めているリアルタイム表面音響波2次元イメージマッピング技術はこのような要求に応えるものである。この技術は超高速光ポンププローブ法と共通光路型干渉計を組み合わせて、ミクロンサイズの点音波源より伝播する表面音響波による表面変位や反射率変化を動画として観測するものである。本研究の目的は、このマッピング技術を発展させ、5GHzまでの表面音響波伝播を観測可能なピコ秒時間分解能・ミクロン空間分解能を持つリアルタイムマッピング技術を開発し、表面音響波伝播の物理を解明することである。 本年度は透明および不透明試料における表面音響波伝搬の2次元リアルタイムイメージマッピングの研究を行った。時間分解能はピコ秒オーダー、空間分解能は透明試料で数ミクロン程度、不透明試料ではそれより若干悪くなる。ダイアモンド基板上に金薄膜を烝着した試料において2GHz程度の周波数成分を持つ表面音響波を観測した。また新しい不透明基板イメージング方法として、2枚の可動鏡を使う方法の予備実験を行い、良好な結果を得た。表面波検出方法についても、不均一な光学定数分布を持つ試料に垂直または非垂直に入射する光の散乱の理論の構築を進め、理解を深めた。
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