研究概要 |
粒子を空間中に配置することにより微細な構造を作製した.粒子の配置にはいくつかの手法を用い,実験的・解析的手法を併用し研究を行った.用いた手法は主に次の3種である.1)放電による粒子結合による構造作製,2)静電力による液滴からの構造作製,3)磁場による粒子配置による構造作製.これら3種について得られた知見を以下にまとめる. 1.放電による粒子接合 放電を用いた粒子接合手法については粉末粒子間に電圧を印加し放電もしくは通電によるジュール熱による接合を試みた.2粒子を用いた接合実験では放電による強固な接合が得られたものの,ジュール熱による拡散接合に関しては十分な接合力を得ることができないことがわかった.また,2粒子を接合後,引っ張り試験によりその接合強度を導出し定量的に接合強度を評価した.放電による粒子接合は2粒子のみならず,微小キャビティ内部での少数粒子に関する小型通電焼結装置による構造体の作製にも発展させ,マイクロ構造体を作製することに成功した. 2.静電力による液滴からの構造作製 粉末を分散させた溶液を静電力を利用しガラスキャピラリより基板上に生成させ粒子を積層させた構造作製を行った.この方法は粒子の集合体を積み上げ,直接構造を作製する方法である. 3.磁場による粒子配置による構造作製 粒子を配置する方法として個々の粒子に直接作用を及ぼすアプローチ以外に自己組織的な構造の作製手法がある.外部からの磁場により磁性粒子が鎖状の構造を生成することはよく知られている.本研究では磁性粒子を制御し構造を作製するために外部磁場を用い,構造が制御できることを実験的・解析的に明らかとした. 上記,各手法により粒子の接合および構造の作製に関する知見を得た.
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