研究概要 |
本年度は,昨年度購入した三菱重工業製6自由度マニピュレータPA10-6Cを用いて,ハンド-アイ・マニピュレータによるビジュアルサーボシステムを構築し,ビジュアルサーボのアルゴリズムの理論解析および実験的検証を行った.具体的には1.カメラ視野を考慮したスイッチングビジュアルサーボ 従来提案されているビジュアルサーボのアルゴリズムを,理論解析と実験的検証により特徴と問題点を明確にし,その問題点を解決する新たな手法であるF.O.V(Field Of View)ビジュアルサーボのアルゴリズムを提案し,その有効性を実験的に検証した. 2.リアルタイムロボット制御用ライブラリの開発 市販されているPA10はWindowsのみサポートされており,リアルタイム性に疑問があることや,付属のキネマティクスボードを用いることが前提となっており,機構学的な制御までもがブラックボックスになっていることから,リアルタイム性の確保と制御のオープン化を目的として,株式会社エフエスエムラボ・ジャパンとの共同研究により,RTLinux版PAライブラリの開発を行った. 3.3次元移動物体の追跡捕獲タスクの実現 実験心理学の分野で行われているヒトのボール捕獲時の動作戦略に関する研究をもとに提案されたGAG戦略を,ハンド-アイ・マニピュレータのビジュアルサーボシステムに適用し,単眼視覚で3次元的に移動するボールを捕獲することが可能であることを実験的に検証した.さらにこのシステムを用いてロボットが連続してボールを打ち上げる動作のようなタスクを学習するためのアルゴリズムについて検証した.
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