研究概要 |
本年度は,昨年度に構築した6自由度マニピュレータPA10-6Cを用いて,ハンド-アイ・マニピュレータ構成のビジュアルサーボシステムを構築し,ボール捕獲タスク,リフティングタスクに関する実験的検証と解析を行った.さらに車輪型移動ロボットにカメラを搭載したビジュアルサーボシステムを構築し,同様に実験的検証と解析を行った.具体的に 1.ハンド-アイ・マニピュレータによるボール捕獲タスクとリフティングタスク ヒトのボール捕獲時の動作に関して,実験心理学の分野ではGAGという戦略が提案されている.この研究に基づき,ハンド-アイ・マニピュレータによるボール捕獲タスクを実現した.さらに,このタスクを拡張し,連続してボールを打ち上げるリフティングタスクを実現した.打ち上げタスク実現のために,マニピュレータ手先の運動とボール落下の協調動作に関して理論解析と実験的検証を行った. 2.車輪型移動ロボットによるビジュアルサーボシステムの構築 マニピュレータロボットは台座に固定されているために,手先の到達可能範囲が制限されてしまう.そのため対象を追跡できる範囲も制限される.稼働領域を広げるために,車輪型移動ロボットによるビジュアルサーボシステムを構築した.車輪型ロボットには非ホロノミック拘束が存在するため,マニピュレータの制御則を拡張した.さらに,広範囲のボール捕獲実験により,この手法の有効性を確認した. 3.ボールリフティングタスクにおける打上げアルゴリズムの検証 ラケットとソレノイドからなるボール打上げ機構を設計・製作し,魚眼レンズでとらえたボール画像からボール打ち上げタイミングを決定するための打ち上げアルゴリズムを構築した.様々に変化するボールの軌道にも,ロバストに適用可能なモデルを提案し,実験的に検証した.
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