研究課題
本研究の目的は、生物の分子モーターの回転運動特性を解明にするために、マイクロ・ナノマシン技術を用いて単分子レベルで計測する技術を確立することである。本研究において、世界最小の溶液チャンバーアレイの開発に成功した(Nature Biotechnology)。このチャンバーは体積がfL(10^<-15>L)しかないため、こめ中に酵素1分子を閉じ込めると、わずか数十秒で反応産物の濃度がμMとなり容易に1分子検出ができる。これを、市販の酵素アッセイキットを用いて実証した。上述のマイクロチャンバーを用いて、回転分子モーターであるF1モーターの単分子計測を行った(Nature)。このモーターは、単独でATPを加水分解して回転運動を行うが、生体内では別の回転分子モーターによって逆回転されATPを合体する。この反応効率を測定するために、F1モーターを今回開発したマイクロチャンバーに閉じ込め、これを磁気ピンセットを用いて逆回転した。逆回転の結果合成されたATP分子は1800個程度であるが、6fLのチャンバーでは、濃度は0.5μM上昇する。そのため、磁気ピンセットから開放されたモーターは、逆回転する前より高速度で回転する。この速度上昇から合成ATP量を見積もり、ATP合成の効率が極めて高い(^〜100%)ことを示した。一方、マイクロ・ナノパターンの新技術の開発を行い、以下の結果を得られた。タンパク質パターニングのため、マイクロノズルからの分子射出・ナノコンタクトプリント法による分子パターニングの実証実験は終了した。今後は、これらの方法をタンパク質パターニングに応用する。さらに、パターニングされたタンパク質が活性を維持していることを顕微観察から確認する計画であった。
すべて 2005 2004
すべて 雑誌論文 (7件)
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