研究概要 |
今年度は下記に示す実験を行い,種々の知見を得た. 1.要素技術の確立:3次元内部構造顕微鏡(現有装置)を用いて,生体試料や食品の内部構造の観察を試みた.蛍光染色や観察波長を工夫することで,今まで不可能と言われていた,生体や食品内部の水分の立体観察が可能になった.その過程および結果は,下記に示す投稿論文として発表した. ・食品の凍結により形成される氷結晶性状の定量解析(低温生物工学会誌) ・生体材料内3次元氷結晶構造計測システムの開発(冷凍空調学会誌) 2.分光分析手法の導入:薄切片作製装置とFTIR(フーリエ変換赤外分光光度計)を用いて穀物の成分2次元分布図を作成し,そのデータより3次元分布図を作成した.また,より微細な生体の観察として,フィッシュ法およびキナクリンマスタードで染色された哺乳動物精子の蛍光観察と赤外分光分析手法を用いて,精子のX・Y分離手法の基礎研究をおこなった. 3.画像取得法の検討: ・従来の3次元内部構造顕微鏡は大掛かりなシステムである.そこで,小型で操作の容易なシステムを試作した. ・蛍光観察は通常顕微鏡を用いて行われるが,CCDカメラと拡大レンズを用いた実体顕微鏡型の観察装置を用いて,微細な生体試料の蛍光観察を試みた.
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