研究概要 |
今年度は,下記に示す研究および装置の開発を行った. 1.要素技術の確立: 昨年同様,3次元内部構造顕微鏡(現有装置)を用いて,生体試料や食品の内部構造の観察を試みた.画像取得用CCDカメラの変更により蛍光染色された試料をより鮮明に観察することが可能になり,生体や食品内部の水分の高品位な3次元立体観察が可能になった. 2.小型直動型スライスシステムの試作: 従来の回転刃機構の3次元内部構造顕微鏡に変わり,スライス刃の駆動にリニアモータを用いた"小型直動型スライスシステム"を試作した.本システムは,断面画像取得装置として通常のCCDカメラ+レンズではなく,コピー機などに使われているイメージスキャナを用いて,画像を取得している.自動で生体試料のスライスからスライス断面画像取得までを連続的に行うことが可能であり,従来機に比べて小型の生体内部観察システムが構築できた.本システムの特長としては,従来の装置で使用されてきたCCDカメラに変わり,イメージスキャナを用いたことにより,照明が観察面を均一に照らすため照明斑がなく,スライス断面画像の輝度の不均一さや色彩斑が低減した.また,2本のスライドレールを用いた直動機構は,従来の装置で用いられていた回転刃のような片持梁ではなく,両端支持梁であるため,剛性を高くでき,切削斑を低減できる.さらに,直動機構とイメージスキャナを組み合わせることによって,小型化が可能となった. 試作機仕様:420×340×190mm,切削能力8枚/分(画像取得時間を含む).
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