研究概要 |
本年度は下記に示す実験を行い種々の知見を得た. (1)小型リニアスライスシステムを用いたスライス実験: 従来の回転刃機構の3次元内部構造顕微鏡に変わり,スライス刃の駆動にリニアモータを用いた"小型リニアスライスシステム"を用いて,生体試料(小動物,農産物,食品等)の形状情報を取得し,コンピュータ画面上で3次元立体像を構築した. (2)性状情報の取得実験: マウスなどの実験動物を用いて,タンパクの変成(変質)箇所を計測して,ガン細胞の立体表示を試みた.マウス胎児を試料とし,In situ hybridization(ISH)により,細胞性ガン遺伝子(protp-oncogene)であるc-kit mRNAを発現させ,3次元的に可視化し検討した. (3)残留農薬の立体表示方法の確立: 農産物や食品をスライスして,スライス断面の残留農薬を計測し,その面情報をコンピュータ上で立体表示させる手法の開発を試みたが,残留農薬の濃度が薄く,当初,使用を予定して赤外分光分析手法では,高性能なマーカーの使用が要求されることが判明した.本研究期間内に残留農薬立体表示システムは開発出来なかったが,今後も研究は継続して行う予定である.
|