研究概要 |
3次元内部構造顕微鏡を用いて,生体試料や食品の内部構造の観察を試みた.蛍光染色や観察波長を工夫することで,今まで不可能と言われていた食品内部の水分の立体観察が可能になった.その過程および結果は下記に示す投稿論文として発表した. ・食品の凍結により形成される氷結晶性状の定量解析(低温生物工学会) ・生体試料内3次元氷結晶構造計測システムの開発(日本冷凍空調学会) ・凍結ゼラチンゲル内氷結晶の非破壊計測法に関する研究-誘電特性を利用した氷結晶構造の推定-(日本冷凍空調学会) "凍結ゼラチンゲル内氷結晶の非破壊計測法に関する研究"は日本冷凍空調学会学術賞を受賞した. 小型直動型スライスシステムを製作した.従来の回転刃機構の3次元内部構造顕微鏡に変わり,スライス刃の駆動にリニアモータを用いた.製作したシステムは,断面画像取得装置として通常のCCDカメラ+レンズではなく,コピー機などに使われているイメージスキャナを用いて,画像を取得している.自動で生体試料のスライスからスライス断面画像取得までを連続的に行うことが可能であり,従来機に比べて小型の生体内部観察システムが構築できた.本システムの特長としては,従来の装置で使用されてきたCCDカメラに変わり,イメージスキャナを用いたことにより,照明が観察面を均一に照らすため照明斑がなく,スライス断面画像の輝度の不均一さや色彩斑が低減した.直動機構とイメージスキャナを組み合わせることによって,小型化が可能となった.製作したリニアスライスシステムを用いて,生体試料の形状情報を取得し,コンピュータ上で3次元立体像を構築した.
|