研究課題/領域番号 |
14205041
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
大西 公平 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (80137984)
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研究分担者 |
森川 康英 慶應義塾大学, 医学部, 助教授 (90124958)
北島 政樹 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (90112672)
中澤 和夫 慶應義塾大学, 理工学部, 助教授 (80217695)
古川 俊治 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (60219102)
小澤 壮治 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (10169287)
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キーワード | 内視鏡外科 / 腹腔鏡下手術 / 手術支援ロボット / 触覚伝達 / ハプティクス |
研究概要 |
腹腔鏡下手術などに用いられる低侵襲手術用ロボットは現在心臓外科領域を含む多くの領域で使用されつつあり、その低侵襲性に加えて、これまでの内視鏡外科における隘路であった難度の高い手術手技を実行する上でその有用性が実証されつつある。このように様々な分野において発展を遂げつつある低侵襲手術はこれまでの伝統的な開腹手術を凌ごうとしている。しかし、国内外で今日まで全く解決がはかられていない問題が存在する。術者にとって極めて重要な「触覚」は、内視鏡手術ではわずかに鉗子を通して得られるのみであり、さらにda Vinciなどのマスター・スレーブマニピュレーターでは全くtactile sensationが得られない。本年度の研究において、上記問題点のうち下記に関して次のような成果があった。 1.力覚伝達システムの内視鏡外科用鉗子への適用に関する基本設計1)仕様要求の検討 様々な、リニアモータを検討した結果直流ソレノイド型のリニアモータが機械的に直列接続でき、かつ即応性等の技術的仕様で満足のいくことが分かった。しかし、ストロークが大きい場合は同期型も有力で、両方の駆動方式が実験出来るバイラテラル鉗子駆動実験システムを製作した。 2)採用する力覚伝達システムの検討 力覚をストレインゲージなどの力センサで検出すると、雑音や感度でS/N比の低い信号しか得られず、低周波帯域の狭い力制御になる。これは。鋭敏な触感の実現を妨げるだけでなく、実はバイラテラル制御全体の安定性を大きく損なうことが分かった。このため、全く新しい外乱オブザーバによるセンサレス方式の力覚検出と極めて短いサンプリング時間により極めて広い帯域で力覚を得ることに成功した。それを上記バイラテラル鉗子システムに適用し、優れた触感を得ることを確認した。これは衝撃力も忠実に再現するもので、バイラテラルロボットとしても世界で初めての成果である。 2)触覚提示システムの基本設計 上記1.の結果により、鉗子を推力ロッド部でマスタ・スレーブに分割した触覚提示装置を設計し、基本的な駆動方式を検討した。
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