研究課題/領域番号 |
14205046
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
吉野 勝美 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (70029205)
|
研究分担者 |
藤井 彰彦 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (80304020)
尾崎 雅則 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (50204186)
|
キーワード | 導電性高分子 / フラーレン / 光誘起電荷移動 / カーボンナノチューブ / 太陽電池 / 光電変換素子 / フォトダイオード / C_<60> |
研究概要 |
本研究では、導電性高分子の光励起状態におけるダイナミックスやポーラロンーポーラロン相互作用などの特異的相互作用、フラーレン及びカーボンナノチューブとの相互作用について高効率光電変換や新規機能応用の原理の提案を目的とした。 (1)種々の導電性高分子を用いてフラーレンドープ導電性高分子システムを調整し、その光励起状態の電気光物性を検討した。特に光励起状態における吸収、発光について調べ、その時間分解測定、温度依存性、磁場下での性質について検討した。 (2)フラーレン薄膜の表面もしくはフラーレン/導電性高分子界面の制御をフォトレジスト法、ラビング法、2光束干渉法、溶媒スピンキャスト法などによって行い、100nm以下のサイズのフラーレン/導電性高分子ヘテロ接合の相互浸透界面を実現した。 (3)フラーレン/導電性高分子相互浸透界面を用いた光電変換素子を作製し、その電流電圧特性、光起電力特性を明らかにした。正孔輸送性の導電性高分子、電子輸送性のフラーレン等を用いた相互浸透界面により、光電荷発生及び電荷取り出し効率が向上することが明らかとなった。 (4)ピコ秒時間分解変調分光システムを構築し、フラーレンドープの導電性高分子システム、導電性高分子-フラーレン積層構造システムについて、発光および光電流発生について時間分解測定を行い、更にその電界依存性と温度依存性について調べた。これらの結果より導電性高分子-フラーレン間で起こる光誘起電荷移動が10ps以下の超高速現象であることが明らかとなった。 (5)二光束パルス相関法による高速測定の結果と理論計算による考察により、非線形光電流の発生機構及び導電性高分子内で発生するポーラロン対間の距離と高分子高次構造の関係を明らかにした。
|