研究概要 |
本研究は,本研究グループが開発したクラスタ成長制御法とクラスタ観測技術をもとに,光劣化のない超高効率a-Si : H太陽電池を実現するクラスタ反応制御プラズマCVD法の確立を目的としている. 本年度は,先ずクラスタ成長に及ぼす放電周波数の影響について調べた.同一の成膜速度で気相中に存在するクラスタ量を比較すると,放電周波数を13.56MHzから60MHzへと高くすることにより1/100程度に低減できることが明らかになった.この結果を踏まえて,放電周波数を60MHzとしたクラスタ抑制プラズマCVD装置を用いて,0.55nm/sで微細構造パラメータがほぼ0である極めて高品質のa-SI : H薄膜を製膜することに成功した.また,0.7nm/sで作製した膜についても,単接合太陽電池の安定化発電効率12%以上が期待できることがショットキ型太陽電池の特性から示唆された.さらに,従来のクラスタ観測技術を上回る超高感度クラスタ計測法として,下流クラスタ捕集(DCC)法をしく開発した. 次年度以降は,本年度実現した以上に発電効率が高い膜(I層)を2nm/s以上で作製するとともに,PとN層についてもクラスタ反応制御プラズマCVD法を適用して,光劣化のない超高効率a-Si : H太陽電池実現を目指す予定である.
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