研究課題/領域番号 |
14205051
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
栗野 浩之 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (70282093)
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研究分担者 |
阿部 俊明 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (90191858)
玉井 信 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (90004720)
小柳 光正 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (60205531)
沈 正七 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (00333849)
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キーワード | 人工眼 / 義眼 / 3次元集積化技術 / 集積回路 / 実装技術 / 医療 / 半導体 / 医工学 |
研究概要 |
現在、高齢化社会の進行に伴って、加齢黄斑変性症(Age-related Macular Degeneration)や糖尿病に起因する網膜色素変性症(Retinitis Pigmentosa)の患者が急激に増えており、全世界で1000万人を超えるとも言われる患者がこれらの病気により失明している。これらの病気は光を電気信号に変換する杆体や錐体と呼ばれる視細胞が侵されることによって発症し,神経節細胞などの細胞には病症は認められていない。このような病気による失明者のため現在人工眼の研究が世界各地で進められている。これらの治療のために本研究ではこのような失明者のために超薄膜化して裏面に網膜刺激電極を有する新しい人工眼の開発を目指している。 本年度は研究の初年度であり、研究計画書にあるように電極部の試作とinvitroでの刺激条件の検討を中心に研究を進めた。まず、in vivo動物実験のための刺激電極の試作を2度行った。また刺激電極と外部装置を接続するポリイミド製ケーブルも試作した。試作した電極は2mm角のSi製で4×4のPt電極が形成されており、電極はSi基板を貫通し、裏面よりポリイミドケーブルヘと接続する。この試作電極について生物・臨床医学グループと検討を行い、設計を改良、再試作を進めている。またinvitroによる刺激条件の検討では、ラットの眼球を摘出し、視神経に検出電極を挿入して光刺激による1.5μVの視神経電位の検出に成功した。現在さらに電気刺激による神経電位検出のための実験を進めている。さらに生体適合性材料の検討のため半導体プロセスで使用する様々な材料の上での細胞の培養試験を進めている。
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