研究概要 |
フォトニック結晶中に取り入れる発光材料としてTi:SiO_2スパッタ膜を作製した。SiO_2(65mm^φ)上にTiタブレット(20mm^φ)をのせたものをターゲットとし,PLスペクトルを測定すると,組成の異なるいくつかのサンプルにおいてSi:SiO_2スパッタ膜と同じ0.4μm近傍にピークを持つことが分かった。Ti組成比がある程度以上になると発光しないことが分かった。すなわち,Ti:SiO_2スパッタ膜においても青色の発光が得られることが分かった。組成比の異なるSi:SiO_2膜も同じ波長域にPLピークを持つことから,吸収端エネルギーには依存しない共通の発光起源を持つ可能性があることが示された。また,組成比によらず固定した発光ピークを有することは素子応用上はメリットとなり得る。次に,干渉露光とドライエッチングにより,Siナノクリスタル薄膜をコアとする1次元フォトニック結晶型光導波路を形成した。端面からの発光スペクトルを評価した結果,10%程度の発光スペクトルの狭窄化を確認した。 一方で,ZnOは非線形光学効果を持ちスパッタが可能であるため,自己クローニングとの整合性が良いと考えられる。我々は,ZnOスパッタ膜に周期構造を付加した構造の波長変換機能の可能性について検討している。基本波とSHG波の位相整合のずれを物理的な形状の変調で補正することを想定している。スパッタ条件の最適化の実験を行い,レーザ顕微鏡による観測やX線回折の結果からC軸配向を確認し,膜面に垂直な方向でのSHGを観測できた。
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