研究課題/領域番号 |
14205058
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
今井 秀樹 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (70017987)
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研究分担者 |
松浦 幹太 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (00292756)
古原 和邦 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (70323649)
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キーワード | 量子鍵配送 / 量子ビットコミットメント / 鍵圧縮法 / 情報量的安全性 / コヒーレント観測 / 量子一方向性関数 / 量子通信路 / 通信距離 |
研究概要 |
(1)量子鍵配送プロトコルの実装に関する周辺技術の提案 本研究では、量子消失通信路において弱コヒーレント光を用いた量子鍵配送を行った場合の安全性解析を行い、新たな量子鍵配送プロトコルの提案を行った。 上の装置の元で著名な量子鍵配送プロトコルであるBB84プロトコルを用いた場合、長距離において安全な鍵配送が不可能となることが知られている。安全性を確実なものにするためには、情報源を完全にするなどの技術が必要であるが、これは現在の技術では非常に困難である。 そこで、我々は、現在実装されているBB84プロトコルと同じ装置を利用する新たな鍵配送プロトコルを提案した。我々のプロトコルでは従来のBB84プロトコルで安全な通信可能距離に対し、約2倍以上の距離でも安全に通信が可能である。 (2)Y00プロトコルの安全性評価。 近年、新たな量子鍵配送プロトコルとしてY00プロトコルが提案されてきた。このプロトコルでは中継器の設置が可能であり安全であるとの主張がなされていたが、安全性証明は与えられていなかった。そこで、この安全性評価を行った。結果、Y00プロトコルは、中継器を利用できる方式を採用すればプロトコルが安全でなくなり、また、安全にしようとすると中継器が利用できなくなることを厳密に証明した。
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