研究概要 |
1.我国の一般的なRC橋脚が有する横拘束筋量を考慮した超高強度RC柱の一軸圧縮実験を実施し,これまでに提案されてきた既往の応力-ひずみ関係の高強度コンクリート域での適用性などを検証した. 2.コンクリート圧縮強度100MPa以上を用いた超高強度RC柱では,非常に脆性的に破壊が進行するため,そのコンファインドコンクリートの圧縮軟化勾配の測定例は報告されていない.そこで,東北大学大学院工学研究科所有の10MN大型載荷試験装置を使用し,この軟化勾配の測定を試みた.なお,本試験装置は,負荷速度として,0.01mm/minの超緩速載荷が可能である(参考:報告されている既往の一軸圧縮実験では,0.2mm/minが最も遅い載荷速度である).これにより,従来報告されてこなかったコンクリート圧縮強度100MPa以上を用いた超高強度RC柱におけるコンファインドコンクリートの圧縮軟化勾配の測定を行うことができた. 3.コンファインド効果をコンクリート最大圧縮応力と最大圧縮応力時のひずみの増加,および最大荷重後の下降勾配の改善に着目することで定量化した.超高強度RC柱では,配筋法により最大強度時に横拘束筋が降伏しない場合があるため,普通強度RC柱を対象に提案されたコンファインドコンクリートの応力-ひずみ関係の高強度域への適用が限定される.そこで,横拘束筋の降伏強度を,コンクリート圧縮強度と横拘束筋の体積比に応じて低減することで,普通強度から超高強度材料まで一元的に適用可能なコンファインドコンクリートの応力-ひずみ関係を提案した. 4.現行指針で規定される定着条件を満足することで,コンクリート圧縮強度130MPaまでも使用した高強度RC柱でも,定着条件がそのコンファインド効果に影響しないことを確認した.
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