研究概要 |
平成15年度に実施した,高強度構成材料を用いたRC柱の一軸圧縮実験およびその解析により,以下の結論を得た. 1.コンクリート圧縮強度σ^'_c:46.3〜128MPa,横拘束筋降伏強度f_<sy>:317〜1288MPaを使用し,横拘束筋体積比ρ_s:0.32〜1.92%の正方形断面を有するRC柱の一軸圧縮実験を行った.実験時の観察より,i)高強度RC柱は,載荷終了時になっても,普通強度RC柱に比べほとんど横膨張せず,隅角部を支点とした横拘束筋のはらみ出しが生じない,ii)横拘束圧が小さい(横拘束筋間隔が大きい)高強度RC柱では供試体全長に及ぶせん断すべり面が形成され破壊に至る,ことなどが確認された. 2.各実験因子に着目したコンファインドコンクリートの応力-ひずみ関係の比較より,i)横拘束筋の降伏強度を大きくしても,比例的にコンファインド効果は大きく現れない,ii)既往の横拘束効果指標であるρ_s・f_<sy>が同程度の値を有していても,f_<sy>を大きくρ_sを小さくした供試体は,f_<sy>を小さくρ_sを大きくした供試体よりもコンファインド効果が小さく現れ,ρ_s・f_<sy>は高強度RC柱の横拘束効果指標とならない,iii)これらの原因は,高強度な横拘束筋を用いても,コンファインドコンクリートの最大強度時に横拘束筋の作用応力が降伏強度の50%にも満たないことにある,こどなどを確認した. 3.実施した21体のRC柱の実験結果より,コンファインドコンクリートの応力-ひずみ関係を提案した.提案モデルは,最大強度時の横拘束筋作用応力を推定し,これにより横拘,束圧を評価するため,使用するコンクリート圧縮強度や横拘束筋の降伏強度などに関らず,コンファインドコンクリートの応力-ひずみ関係を精度良く再現できることを実験結果との比較から確認した.
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