研究分担者 |
加藤 和弘 東京大学, 農学生命科学研究科, 助教授 (60242161)
島田 正志 東京大学, 農学生命科学研究科, 助教授 (10272436)
石川 忠晴 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (50159696)
戸田 祐嗣 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (60301173)
浦瀬 太郎 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (60272366)
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研究概要 |
本年度は(a)平水時の生物一次生産特性に関する室内実験,(b)洪水時の物質輸送に関する現地観測,(c)数値シミュレーションモデルの開発に分割して研究を実施した. (a)平水時の生物一次生産特性に室内実験:東京都の多摩川河川中にアクリル板を複数枚設置し,アクリル板上に藻類を付着させた.数週間河川内で育成させた後に,アクリル板ごと回収し,実験室内にて水質・水温を制御しながら一定の生物量となるまで培養した.培養された藻類の光合成速度,呼吸速度を様々な光強度、水温下で計測した.これらのデータは次年度以降に開発する一次生産予測モデルの基礎となる資料である.(b)洪水時の物質輸送に関する現地観測:洪水時の河道内の土砂・栄養塩・有機物動態を把握するため,沖縄県石垣市の名蔵川流域を対象として現地観測を実施した.河道内の複数の地点で洪水流の流速・水位・濁度・計測および採水を行い,採水サンプルに対しては,栄養塩濃度,有機物濃度,粒度分布の計測を行った.観測の結果,観測対象流域においては,流域からの土砂流出量が多い降雨では,栄養塩が主に粒子態として流出すること,総雨量や潮汐とのタイミングによって河口域での土砂・栄養塩堆積量が変化することが明らかになった.(C)数値シミュレーションモデルの開発:沖縄県石垣市名蔵川を対象として,洪水時の栄養塩輸送に関する数値計算を実施した.計算の結果,河口域高水敷上での栄養塩動態は,出水規模と潮汐とのタイミングの影響を受けることが明らかになった.
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