研究分担者 |
石川 忠晴 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (50159696)
島田 正志 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (10272436)
浦瀬 太郎 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (60272366)
戸田 祐嗣 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 講師 (60301173)
大澤 和敏 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (30376941)
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研究概要 |
1、付着藻類の種間競争:付着藻類の一次生産と種間競争に関する数値解析モデルを構築した.モデルでは,生産,代謝,移入,剥離といった藻類動態の各プロセスを,出来るだけ実測に基づいて定式化し,数値的なパラメータについても計測できる範囲では出来るだけ実測結果から算出・推定した.本数値計算モデルによって,付着藻類量の時間変化を定量的に再現することが出来た.また,藻類種組成の変化について,時間とともに非糸状藻優占の群落から糸状藻優占の群落へと遷移する過程が定性的に再現された.藻類の種組成について,さらにモデルの精度を向上していくためには,移入過程の定量的な計測とそれに基づいた移入過程のモデル化が必要であることが示された. 2、面源における土砂生産:河川への過剰な微細土砂の流入問題に関して,農地における土砂流出抑制対策に着目し,実圃場を4つの区画に区切り,それぞれの試験区で各種対策を施し,同一条件下における土砂凍出量の同時計測を行った.その結果,複数の降雨イベントにおいて浮遊土砂流出量の経時変化が全ての試験区で得られ,以下に示す知見が得られた. (1)、作物の被覆によって土砂流出は抑制され,被覆率27%〜97%のサトウキビ春植え栽培試験区では39%〜92%の範囲で流出土砂量を削減した. (2)、サトウキビの株出しおよび不耕起栽培は,地表面における残渣被覆や耕起による土壌攪乱が無いことなどによって,無耕作状態での土砂流出量の約94%を削減し,極めて効果的な対策法であった. 3、出水時の流域からの土砂・栄養塩流出特性:沖縄県石垣市の名蔵川を対象として現地観測およびシミュレーションを実施した.上記「2Jの結果を用いて流域スケールで土砂動態のシミュレーションを行った結果,農地における営農形態を変更することによって約50%の土砂流出を削減できる試算結果が得られた.
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