研究分担者 |
山中 亮一 横浜国立大学, 大学院・環境情報研究院, 助手 (50361879)
川崎 浩司 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (20304024)
西田 修三 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (40172663)
沈 一揚 地球フロンティア研究システム, モデル統合化領域, 研究員
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研究概要 |
中国・渤海では,大量の未処理汚水が海域に流入し赤潮が多発しており,水質汚濁が深刻な状況である.しかし,渤海は大阪湾の約10倍の空間規模であり現地観測は極めて困難であるため,その現状が十分に把握されていない.そこで,本研究では、中国の研究者との共同研究を実施することによって,渤海および大阪湾における現況の水環境特性を明らかにするとともに,大阪湾研究で得た知識,経験を渤海の流動や生態系の研究に役立てることにより,沿岸域の水環境を保全するための統合型水管理システムの構築を目指すことを目的としている. (1)大阪湾湾奥部において溶存酸素に着目した現地観測を実施し,精度の高い流動・水質・底質モデルを構築するとともに,強い閉鎖性海域における貧酸素水塊の動態特性を明らかにした. (2)大阪湾の湾口に位置する紀淡海峡において流況と水質に関する現地観測を実施し,海峡部における物質交換の実態を明らかにした.その結果、海峡部における物質循環には、粒子態物質や溶存態有機物が大きな役割を果たしていることがわかった。 (3)衛星データを用いて、渤海における河川水の拡散状況の解析を行った. (4)渤海の気象・水象データを収集・解析するとともに,黄河の流入を考慮した3次元バロクリニック数値モデルを用いた流動計算を行い,渤海の流動・密度構造を明らかにした. (5)沿岸域の水環境管理評価法の一つである統合的水質管理システムの構築に向けて,モジュールの開発と大阪湾,渤海への適用性の検討を行った.
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