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2002 年度 実績報告書

気象変化が連結系汽水湖の流動と水質場に及ぼす影響評価と汽水湖の管理技術への適用

研究課題

研究課題/領域番号 14205074
研究機関広島大学

研究代表者

福岡 捷二  広島大学, 大学院・工学研究科, 教授 (30016472)

研究分担者 黒川 岳司  呉工業高等専門学校, 講師 (50325148)
田村 浩敏  広島大学, 大学院・工学研究科, 助手 (10335705)
渡邊 明英  広島大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (00240474)
キーワード汽水湖 / 塩水進入 / 気象変化 / 流動 / 水質
研究概要

1.気象外力,湖内流動,水位変動について,連結系汽水湖である中海-大橋川-宍道湖を一体的に検討し次の結論を得た。
気圧変化により日本海で生じた水位変動が中海内,大橋川上下流,宍道湖内の3区間に分けて検討した。中海,宍道湖内の水位変動は,長波の伝播速度で伝わる。一方,大橋川上下流端での水位変動の時間差は,異なる外力に起因する中海における水位変動の周期に関係する。
2.風の吹き寄せにより,中海,宍道湖において数センチメートルの水位変化が生じており,これを引き起こす抵抗係数の表現式を得た。水位変化は小さいが,これは,密度成層のある中海・宍道湖において大きな密度界面勾配を発生する。この界面の高さが,大橋川を経由して宍道湖に出入りする塩水の流動とそれに伴う水質に大きな影響を与えている。
3.中海の塩分水が,宍道湖に到達する条件は,二つの湖の水位差により決まる。水位差は,天文潮よりも気象潮成分が大きいため,塩水の流入に及ぼす気象潮の影響が大きく遡上時に長時間にわたって,中海から塩水が宍道湖に流入を続ける。
4.宍道湖の水質に大きな影響を及ぼすと考えられる20psuを超える高い濃度の塩分水の遡上・流入は,湖上に強い西風が長時間吹き続く期間に見られる。
5.中海から大橋川を遡上し宍道湖の東部湖棚部(平均湖底勾配,2,500分の1)に進入する高塩分水は,最初の350〜400m/hから150〜300m/hに変化しながら湖心に向かって進む。しかし,(5〜10)m/sの東風が卓越すると,密度海面に傾きが生じ,湖底の高塩分水は,宍道湖東部へ移動する。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] 福岡捷二: "気象変化に伴う中海-大橋川-宍道湖の水位変動"水工学論文集. 47巻. 1219-1224 (2003)

  • [文献書誌] 福岡捷二: "ヨシを用いた水際保護の研究"水工学論文集. 47巻. 997-1002 (2003)

  • [文献書誌] 渡邊明英: "1999年6月広島災害をもたらした前線位置と豪雨の関係"水工学論文集. 47巻. 67-72 (2003)

  • [文献書誌] 福岡捷二: "低気圧および台風の移動形態の違いが汽水湖の流動・水質場に与える影響"土木学会論文集. 712/II. 137-150 (2002)

  • [文献書誌] 福岡捷二: "強固な密度成層を有する水域における下層内の流動と水質変化"海岸工学論文集. 49巻. 356-360 (2002)

  • [文献書誌] 志和充将: "宍道湖における気象変化に伴う流動に関する研究"第54回土木学会中国支部研究発表会発表概要集. 127-128 (2002)

  • [文献書誌] 松下智美: "気象変化に伴う中海下層の流れと水質変動に関する研究"第54回土木学会中国支部研究発表会発表概要集. 171-172 (2002)

  • [文献書誌] 松下智美: "連結系汽水湖における流れと水質分布に及ぼす密度界面の役割"土木学会第56回年次学術講演会講演概要集. II-136(CD-ROM). (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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