研究課題/領域番号 |
14205084
|
研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
村上 周三 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (40013180)
|
研究分担者 |
岸本 達也 慶應義塾大学, 理工学部, 講師 (30302532)
大岡 龍三 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (90251470)
加藤 信介 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (00142240)
|
キーワード | パーソナル空調 / 被験者実験 / CFD / 快適性 / 温冷感 / 人体生理・心理 |
研究概要 |
本研究の最終的な目的のひとつであるパーソナル空調システムの最適設計のため、本年は被験者実験によるパーソナル空調の実態調査および被験者実験とCFD(Computational Fluid Dynamics:数値流体力学)によるパーソナル空調使用時の人体部位別温感特性の解明を行った。これにより、現行パーソナル空調の問題点を明らかにし、快適かつ省エネルギー的な新たなパーソナル空調システムを開発するための判断材料となる知見を得ることを目的とした。 (1)被験者実験によるパーソナル空調の実態調査 現行パーソナル空調の使用状況把握と問題点を解明することを目的として行った。ここでは被験者が自分の熱的好みに応じて風向・風速・温度を自由に制御する様子の統計的分析およびアンケート調査を行った。その結果、次のような問題点が判明した。 (1)顔面に直接気流を浴びると、気流感や目の乾燥により全身の不快感が生じる。(2)コントロールが面倒という問題点からエネルギーの浪費が懸念される。(3)使用後の温冷感・快適感に男女差が見られる。 (2)被験者実験とCFDによるパーソナル空調使用時の人体部位別温感特性の解明 人体部位別温感特性を解明することを目的として、現行パーソナル空調の風向を変更させた場合の被験者実験による人間の生理・心理の影響の解明とCFD解析による人体周辺気流性状および温熱環境性状を検討した。その結果、次のような傾向が見られた。 (1)効率的に人体を冷やすためには、特に顔面周辺を冷却するのが有利であり、顔面周辺以外の部位が高温であっても全身温冷感に大きな影響は及ぼさない。(2)手は気流に暴露されることによって皮膚温は大きく変化をするが温冷感には大きな変化はなく、全身温冷感にもあまり大きな影響を及ぼさない。 (3)今後の展望 今後はパーソナル空調システムにおける人体温冷感の快適性の向上のみならず、吸入空気質の向上にも焦点を当て研究を進めていく予定である。
|