研究分担者 |
朝山 秀一 東京電機大学, 工学部, 教授 (50120100)
奥 俊信 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20029359)
新宮 清志 日本大学, 理工学部, 教授 (50060083)
谷本 潤 九州大学, 総合理工学研究院, 教授 (60227238)
堤 和敏 芝浦工業大学, システム工学部, 教授 (70327758)
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研究概要 |
河村:建築・都市・社会システムデザインの統合を目的として、GA, FB, MAの多重ネットワークを構想し、スケールフリーネットワークやファジィ理論に基づく科学技術としてのパラダイムを構築した。 朝山:本研究により、渋谷区、港区、新宿区、大阪市北区などの商業用地の成長は、昼間人口の増分に比例(9.7m^2/人)した自然発生的要素と都市計画のような人為的要素が相互作用して形成されることが明らかになった。 奥:都市の土地利用変化について,土地エージェント間の親和度と満足度を定義し,満足度が向上する移転戦略を設定し,それらをもとにセル・オートマトンによるシミュレーションを行い,土地エージェントの分凝形態と満足度の特徴を明らかにした。 新宮:考案した電磁石クラッチ機構を用いた可変剛性による振動制御を行った。クラッチ着脱に伴い構造物の固有振動数が変化し,非制御時に比べ,最大応答変位の顕著な減少を示した。 谷本:社会ジレンマゲームの基礎を供する,2×2ゲームおよびn-PD, n-Chickenに関する進化ゲーム理論的考察を行い,ジレンマの数理科学的定義に関する演繹的知見を得た。これを基礎に環境問題を社会ジレンマゲームと看做したマルチエージェントシミュレーションモデルを構成し,環境問題のジレンマ克服に価値観の変容がもたらす影響について考察した。また,建築学を取り巻く諸問題,すなわち,学会のdegrading,談合問題など興味深いトピックに関して,複雑系マルチエージェントシミュレーションを適用した。 堤:人間の感性と建築物との相互作用を「形態創生」と「建物検索」をテーマに研究開発を行った。形態創生では,感性と力学的合理性との調和を,「建物検索」では,イメージによる形状認識の精度を明らかにした。 谷:地震動入力に対する建築構造物の知的ファジィ最適アクティブ制御システムに関して,種々の条件下でディジタルシミュレーションや振動台実験を行い,その有効性を明らかにした。マルチエージェントモデルの行動ルールに階層型ニューラルネットワークを用いた人間歩行モデルを構築し,その有効性をディジタルシミュレーションにより明らかにした。マルチエージェントシステムを用いて,地震が発生した都市を仮想的に再現し,住居建築の倒壊被害や人的被害の予測システムを構築し,都市防災力の検討を行った。 藤井:建築及び社会システムのデザインを切り口として,デザインにおける創造性に関わると考えられる論理飛躍を説明するモデルの構築を試みた。デザインを言語表現の制作として捉え,表現と表現の指示対象の関係が柔軟な解釈によって変化する状態を,複数のモデル理論的意味論を包括することによりモデル化した。並行して,デザイン・エージェントによる設計実験を行った。 藤谷:免震建築物の安全性と機能性を高度化するために、最適レギュレータ理論による場合と履歴特性を改善する場合の2つのセミアクティブ制御を行い、その効果を検証した。 瀧澤:都市の地代決定と土地利用の変化に関して1次元の都市モデルを構築し,CBDからの距離と環境条件の二つの効用関数で土地を評価し,地代変化のプロセスに関して興味深い結果を得た。 山邊:マルチエージェントによる社会システムシミュレーションにGAを導入し,資材価格の最適化を行った。建築・都市・社会システムを,多重共創進化の概念を用いて最適化をはかるシステムの提案と検証を行った。
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