東京23区における大深度地下インフラ・トンネルのルート設定に関する実証的調査研究

2003 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 14205090
• 研究機関: 早稲田大学
• 研究代表者: 尾島 俊雄 早稲田大学, 理工学部, 教授 (20063670)
• 研究分担者: デワンカー バート 北九州市立大学, 国際環境工学部, 助教授 (60308187) ; 高 偉俊 北九州市立大学, 国際環境工学部, 助教授 (20288004) ; 高橋 信之 早稲田大学, 理工学総合研究センター, 教授 (80257203) ; 高口 洋人 早稲田大学, 理工学総合研究センター, 講師 (90318775)
• キーワード: 大深度地下 / ライフライン / 地域冷暖房 / 熱供給 / 環境容量 / 風の道 / ヒートアイランド / 都市防災

研究概要

大深度地下インフラの有効性に関して、以下の3つのテーマを軸として研究を行っている。
1.大都市の防災性能の向上(非常時3日間)
2.平常時における環境性の向上(平常時1年間)
3.都市のクラスター化と自然の環境容量の増加手法(100年スケールでの都市計画)
1.防災性能の向上に関しては、有明、豊洲から都心部(東京駅周辺大丸有地区、新宿駅周辺地区)を結ぶネットワークの現状を整理し、エネルギー系のバックアップと緊急物資輸送に関して大深度地下空間を利用した非常時広域ライフラインの整備による防災効果を評価した。
2.平常時における環境性の向上に関しては、各論としてエネルギー系の検討を行い、東京都区部における既存地域冷暖房の広域ネットワーク化に関する研究を行った。大手町・丸の内・有楽町地区、赤坂・六本木地区、築地地区、豊洲地区の都心部新規再開発予定地区、及び地域冷暖房区域内での未加入2万m^2以上建物への熱供給を行う場合を想定し、地域冷暖房余剰能力の相互融通と豊洲地区のCGS排熱活用を活用したケースと、将来的にプラント系廃熱(23区でのゴミ焼却排熱相当量)を取り込んだケースに関して、CO2削減効果から環境性の評価を行った。
3.都市のクラスター化と自然の環境容量の増加手法に関しては、神田川流域圏における河川軸周辺の容積移転による市街地再構築に関する研究として、夏の昼間に中小河川に沿った風の道があることを確認し、河川軸の土地利用の分析から河川開放の可能性の高い地帯を示した。また、汐留・環状二号線新橋周辺再開発地域における風環境の風洞実験研究では、過去モデル・現状モデル・環二再開発モデルの比較を通して、汐留の都市形態によって汐留後方1.2km以上において弱風域となっていることを確認し、風の道を考慮した都市形態の提案を行った。

研究成果

• [文献書誌] Yukihiro Masuda: "Utilization of the Deep Underground Space in Tokyo"2003Second International Symposium on NEW TECHNOLOGIES FOR URBAN SAFETY OF MEGA CITIES IN ASIA. 149-155 (2003)
• [文献書誌] Yukihiro Masuda, Nobuyuki Takahashi, Toshio Ojima: "Research on regeneration and utilization of rivers in the Tokyo Metropolis (PART2)"5th International Symposium on Architectural Interchanges in Asia. (未定). (2004)
• [文献書誌] 増田幸宏, 高橋信之, 尾島俊雄: "都市環境インフラストラクチャーに関する研究(その1)"日本建築学会大会 学術講演梗概集. D-1分冊. 573-574 (2003)
• [文献書誌] 早川潤, 高橋信之, 尾島俊雄: "都市環境インフラストラクチャーに関する研究(その2)"日本建築学会大会 学術講演梗概集. D-1分冊. 575-576 (2003)
• [文献書誌] 石川潤一, 増田幸宏, 高橋信之, 尾島俊雄: "東京駅周辺地域における防災性能向上に関する研究"2003年度日本建築学会関東支部 研究報告集I. 551-554 (2004)
• [文献書誌] 池田直樹, 増田幸宏, 足永靖信, 高橋信之, 尾島俊雄: "汐留・環状二号線新橋周辺における風環境の風洞実験研究"2003年度日本建築学会関東支部 研究報告書集I. 659-662 (2004)