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2002 年度 実績報告書

母相格子欠陥のマルテンサイトへの受け継ぎ挙動の解明とそれを利用した特性の向上

研究課題

研究課題/領域番号 14205104
研究機関京都大学

研究代表者

牧 正志  京都大学, 工学研究科, 教授 (10026247)

研究分担者 森戸 茂一  京都大学, 工学研究科, 助手 (00301242)
古原 忠  京都大学, 工学研究科, 助教授 (50221560)
キーワード鉄合金 / 相変態 / マルテンサイト / 転位 / 析出 / 高強度材料 / 形状記憶合金 / 加工熱処理
研究概要

本年度は,母相オーステナイト中の転位および析出物のマルテンサイトヘの受け継ぎ挙動について以下の研究を行った.
●加工オーステナイト中の転位のマルテンサイトヘの受け継ぎ挙動の解明
室温でオーステナイト単相が残存し,室温以下での等温保持によってラスマルチンサイトが生成するFe-20%Ni-5%Mn合金を用いて,室温および高温のオーステナイト単相状態で圧縮変形(オースフォーム処理)を施した後,室温以下の温度で等温マルテンサイト変態させ,TEMによって加工オーステナイト組織およびオースフォームドマルテンサイトの内部組織を観察した.その結果,オーステナイト母相中に導入されたすべり転位がラスマルテンサイトに受け継がれることが明らかになった.また,無加工材で生成したマルテンサイトの周囲のオーステナイト中にも高密度の転位が存在していることから,ラスマルテンサイト中の高密度転位の起源の1つが,マルテンサイト変態時のひずみ緩和のためにオーステナイト中に導入された転位の受け継ぎであることが示唆された。
●母相オーステナイト中の微細整合析出物のマルテンサイトへの受け継ぎ挙動の解明
Fe-33%Ni-10%Co-4%Ti合金を用いて,オーステナイト単相での溶体化後973Kでの種々の時間の時効によりγ'-Ni_3Ti(L1_2構造)析出物を整合析出させた後,室温以下でのサブゼロ処理によりマルテンサイト変態させ,析出物のマルテンサイト中への受け継ぎ挙動を調べた.その結果,時効時間が18ks以下では,Ms点が160K以下の熱弾性マルテンサイトが,18ks以上ではMs点が室温以上の非熱弾性マルテンサイトが生成することがわかった.TEMによりマルテンサイトに受け継がれた析出物を観察した結果,熱弾性マルテンサイトの場合にはγ'析出物はマルテンサイトと同じくせん断変形されて構造変化を起こしているのに対して,高温側で生成する非熱弾性マルテンサイトの場合には,析出物はせん断されずにγ'の構造を保ってマルテンサイト中にそのまま受け継がれることがわかった.

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] S.Morito, T.Furuhara, T.Maki: "Morphology, substructure and crystallography of lath martensite in Fe-C alloys"Proc.Inter.Conf.Martensitic Transformations (ICOMAT'02). (印刷中). (2003)

  • [文献書誌] T.Furuhara, N.Miyajima, T.Moritani, T.Maki: "Interphase boundary structures of lath martensite and bainite in steel"Proc.Inter.Conf.Martensitic Transformations (ICOMAT'02). (印刷中). (2003)

  • [文献書誌] S.Morito, H.Tanaka, R.Konishi, T.Furuhara, T.Maki: "The morphology and crystallography of lath martensite in Fe-C alloys"Acta Materialia. Vol.51,No.6. 1789-1799 (2003)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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