研究課題/領域番号 |
14205111
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
架谷 昌信 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (50021788)
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研究分担者 |
出口 清一 名古屋大学, 工学研究科, 講師 (50283411)
渡辺 藤雄 名古屋大学, 工学研究科, 助手 (70109312)
小林 敬幸 名古屋大学, 理工科学総合研究センター, 助教授 (90242883)
和田 明生 日本分光(株)第一技術部, 研究員
小林 潤 名古屋大学, 工学研究科, 助手 (60314035)
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キーワード | 熱レーザ / カスケーディングエネルギー変換 / 反転分布 / 超音速流体 / 酸素富化燃焼反応 |
研究概要 |
燃焼により得られる高温高圧エネルギーを直列カスケード的にレーザ光、動力、熱に変換する、3形態のエネルギー変換システムを提案する。本研究では本システム構築のための必要条件の抽出および熱レーザの発振に関する要素研究を実施した。先行研究で明らかにされているCO_2の反転分布により誘導放出される赤外レーザ発振条件のうち、ガスタービン設備等の兼ね合いから燃焼温度および圧力条件が全く異なること、および炭化水素の燃焼反応により連続的なレーザ媒体の発生が可能であるが、レーザ媒体中H_2O分率の増大に伴い励起CO_2は失活する確率が大きくなるため、反転分布状態のCO_2分子数が減少することが最大の課題点と考える。レーザ発振に必要な反転分布状態の確認における実験的検討および理論解析により得られた知見を以下に示す。 ・レーザ発振部ではレーザ媒体の流速を燃焼条件により決定される所定の超音速状態に設定する事により低準位CO_2分子の振動温度が並進温度に急激に近づき、ボルツマン分布に則らないCO_2分子の反転分布状態の形成が可能であるということが示唆された。 ・上記CO_2反転分布状態の確認のため10.6μm単一波長のヒーレントプローブ光を用いてゲイン計測を行ったところ燃焼反応における酸化剤中O_2/N_2比と酸化剤の燃料当量比がゲインに大きく影響を与えた。 ・燃料となるメタンの酸素富化燃焼反応は燃焼ガス組成や燃焼ガス温度が大幅に高いという点で一般の空気燃焼とは異なり、レーザ媒体中のO_2、H_2Oの振動準位(それぞれ1595,1556cm^<-1>)が接近しているためそれらが相互失活することで上準位CO_2分子の維持される確率が増大した結果、正ゲインが得られたと考えられる。
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