研究課題/領域番号 |
14205112
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
福田 秀樹 神戸大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (30263396)
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研究分担者 |
石川 治男 大阪府立大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00081349)
近藤 昭彦 神戸大学, 工学部, 助教授 (40205547)
加藤 滋雄 神戸大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (20026272)
大嶋 寛 大阪府立大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20112526)
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キーワード | 凝集性遺伝子Flo1p / 表層発現酵母 / リパーゼ / アミラーゼ / エタノール醗酵 / キシラナーゼ / whole cell biocatalyst |
研究概要 |
(1)Flolpによる共発現ディスプレイ酵母の創製およびリパーゼ酵素の発現 凝集性遺伝子Flolpを用いたRhizopus oryzae由来のリパーゼ酵素の表層発現の検討を行った。リパーゼの活性部位がC末端側に存在するため、Flolp遺伝子のC末端側に導入・発現させた結果、酵素の活性は従来のα-アグルチニン蛋白質を用いた場合より数十倍もの活性を示した。また、この表層発現酵母を用いた場合、メタノリシス反応および光学活性体の分割反応に対しても著しく高い生産性および収率が得られた。また、グルコアミラーゼおよびα-アミラーゼの両酵素を同時に表層に共発現させた場合にも高い活性を示し有効性が確認できた。 (2)他の共発現系とキシラナーゼ酵素の発現による物質変換(α-アグルチニン蛋白質利用) デンプン質(グルコアミラーゼ表層;α-アミラーゼ分泌)とセルロース質原料(エンドグルカナーゼ、β-グルコシダーゼ:表層)からの一段階エタノール醗酵生産において、共発現酵母は高い生産性が得られた。また、ヘミセルロースの主成分であるキシラン分解酵素キシラナーゼIIの表層発現を行った結果においても高い酵素活性を示した。 (3)リパーゼ発現微生物の高機能"whole cell biocatalyst"の構築 R. oryzae由来リパーゼの分泌を抑制し酵素を蓄積した酵母の創製を検討した。Pro領域を含む遺伝子を導入・発現させた結果、350IU/Lを超える高い菌体を得、"whole cell biocatalyst"として利用できることを示した。また、リパーゼ酵素を細胞内に蓄積するR. oryzaeを"whole cell biocatalyst"として利用するため、多孔質担体に固定化しグルタルアルデヒドによる架橋処理を行った結果、酵素活性はほとんど低下せず繰り返し利用できることが明らかとなった。
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