面構造制御ナノ金属粒子触媒の開発研究

2002 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 14205115
• 研究機関: 東京工業大学
• 研究代表者: 秋鹿 研一 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (20016736)
• 研究分担者: 宮崎 あかね 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助手 (80293067) ; 稲津 晃司 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助手 (70272698) ; 泉 康雄 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 講師 (50251666) ; 中野 義男 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (30092563)
• キーワード: 表面構造効果 / ナノ粒子 / 白金 / ルテニウム / アルミナ

研究概要

含窒素感温性ポリマー存在下、塩化白金酸を水素で還元し、Pt(100)面を有する立方体白金粒子を70%の選択率で得ることに成功した(Langmuir, 16, 7109 (2000)など)。これだけの割合で立方体のナノ白金粒子ができた例は世界に無い。これをアルミナに担持し、NOとメタンの反応に用いた。500℃処理してもその特徴が残り、通常触媒と反応選択性が大きく異なることを見出した(Chem. Lett., 1024 (2001)など)。このように単結晶でしか研究できなかった表面構造効果の成果を実用触媒へつなげる道が出来つつある。
ルテニウムについての面制御は十分に出来なかったが、粒子径を制御したナノ粒子とすることができた。これをアルミナに担持し、NOとメタンの反応に用いた(J. Catal., 207, 66-75 (2002))。
一方、金属ナノ粒子を担持する酸化物の高温安定微粒子が求められている。担体として有名なアルミナは1,100℃のような高温では比表面積が著しく小さい(1m^2/g)アルファ型となるため、高温では触媒に使えない。逆ミセル法で水のナノ粒子中にアルミニウムのアルコキシドを追い込んで加水分解させる方法を発展させた。そのポイントは、オイル相にあるときにキレート剤を加えること、バリウムのアルコキシドを少量加える、加水分解をオートクレーヴ中高温(150℃)で行うなどの点である(Phys. Chem. Chem. Phys. (2002), 4, 2501など)。最終的に1,100℃で焼成したものは、Baなしでも14m^2/gのアルファ型、Ba/Al=1/48では75m^2/gのアルファ型、Ba/Al=1/24では156m^2/gのガンマ型、Ba/Al=1/12では98m^2/gのバリウムヘキサアルミネートなどのナノ酸化物になることがわかった。

研究成果

• [文献書誌] Ioan Balint, Akane Miyazaki, Ken-ichi Aika: "NO reduction by CH_4 Over well-structured Pt nanocrystals supported on γ-Al_2O_3"Applied Catalysis B. Environmental 37. 217-229 (2002)
• [文献書誌] Ioan Balint, Zhixiong You, Ken-ichi Aika: "Morphology and oxide phase control in the microemulsion mediated synthesis of barium stablilized alumina nanoparticles"Phys. Chem. Chem. Phys.. 4. 2501-2503 (2002)
• [文献書誌] Hai Sheng Zeng, Koji Inazu, Ken-ichi Aika: "The Working State of Barium Promoter in Ammonia Synthesis over an Active-Carbon-Supported Ruthenium Catalyst Using Barium Nitrate as the Promoter Precursor"J. Catal.. 211. 33-41 (2002)
• [文献書誌] Arsushi Isiguro, Takayuki Nakajima, Tadahisa Iwata, Masahiro Fujita, Taketoshi Minato, Fumitaka Kiyotaki, Yasuo Izumi, Ken-ichi Aika, Masaya Uchida, Koji Kimoto, Yoshio Matsui, Yasuo Wakatsuki: "Nanoparticles of Amorphous Ruthenium Sulfide Easily Obtainable from a TiO_2-Supported Hexanuclear Cluster Complex [Ru_6C(CO)_<16>]^<2-> : A Highly Active Catalyst for the Reduction of SO_2 with H_2"Chem. Eur. J.. 8・14. 3260-3268 (2002)
• [文献書誌] Zhixiong You, Ioan Balint, Ken-ichi Aika: "Synthesis of Thermally Stable Cs-Doped Alumina Nanoparticles by Microemulsion Method"J. Catal.. 204. 364-371 (2002)
• [文献書誌] Ioan Balint, Akane Miyazaki, Ken-ichi Aika: "Methane Reaction with NO over Alumina-Supported Ru Nanoparticles"J. Catal.. 207. 66-75 (2002)
• [文献書誌] Takeshi Furusawa, Kulathuiyer Seshan, Leon Lefferts, Ken-ichi Aika: "Selective reduction of NO with propylene in the presence of oxygen over Co-and Pt-Co promoted HY"Applied Catalysis B. Environmental 39. 233-246 (2002)