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2004 年度 実績報告書

耐塩性窒素固定菌の海水農業への利用

研究課題

研究課題/領域番号 14205118
研究機関奈良先端科学技術大学院大学

研究代表者

新名 惇彦  奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 教授 (30029235)

研究分担者 吉田 和哉  奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助教授 (50252622)
富澤 健一  地球環境産業技術研究機構, 植物研究グループ, 主席研究員 (00183880)
キーワード耐塩生植物 / イネK^+輸送体 / HAK遺伝子 / 窒素固定単細胞藍藻 / アルギン酸カルシウムゲル / Synechococcus sp. / エクトイン / Clamydomonas sp.
研究概要

耐塩性植物の分子育種に必要な遺伝子をこれまで蓄積してきた。好塩性細菌の適合溶質であるエクトイン生合成遺伝子、酵母を3%NaClでも旺盛な増殖させるイネの変異HKT遺伝子、酵母のナトリウムポンプ遺伝子、ENA1である。今年度は耐塩性植物の育種にさらに必要と思われるイネのK^+輸送体、HAKとタバコのプロリン蓄積能をもつNtHAL3遺伝子の特性を明らかにした。また、遺伝子組換え技術により作成される耐塩性イネを海水で水耕栽培する際、窒素源供給を可能にする海水から分離された窒素固定単細胞藍藻、Synechococcus sp.が空中窒素を固定し、耐塩性緑藻、Clamydomonas sp.の増殖に必要な窒素を供給できることを示した。
1)イネのK^+輸送体をコードするHAK遺伝子の機能解析
イネ(Oryza sativa)のOsHAK2、OsHAK5を過剰発現させたタバコ培養細胞BY2は低K^+培地でも増殖した。特にOsHAK5過剰発現体は耐塩性を示し、耐塩性育種に利用できることが解った。
2)タバコのHAL3遺伝子を過剰発現させるとタバコ培養細胞の耐塩性が上昇した。
3)海産性窒素固定単細胞藍藻、Synechococcus sp.の窒素源供給能
Synechococcus sp.をC、N源を含まない無機塩のみの人工海水で25℃で光照射下で培養した。培養14日、45日後に細胞内全窒素はそれぞれ19.22mg/l、41.8mg/lになり、培養液中にも3.2mg/l、4.2mg/l分泌された。藍藻の培地には3%NaClが含まれているため、通常の植物は増殖できないので、海水でも生育できる耐塩性緑藻、Clamydomonas sp.を藍藻の培養上澄に接種した結果、対応するNH_4Clと同じ増殖が見られ、藍藻が固定した窒素は植物の生育を支持できる含窒素分子であることがほぼ確かめられた。実用化段階では、藍藻の細胞内窒素も有効利用するため、溶菌がある程度起こる定常期の細胞を固定化ゲルで維持する方法が考えられる。なお、アルギン酸カルシウムゲル固定化藍藻も遊離細胞とほぼ同等の増殖を示した。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2004

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Over expression of Nt HAL3 genes confers increased level of proline biosynthesis and the enhancement of salt tolerance in cultured tobacco cells2004

    • 著者名/発表者名
      Yonamine I, Yoshida K, Kido K, Nakagawa A, Nakayama H, Shinmyo A.
    • 雑誌名

      J.Experimental Botany 55, 396

      ページ: 387-395

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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