研究課題
基盤研究(A)
膜厚30-50nmの金属薄膜上に、クロモフォアを含む約2〜数百nm厚の有機超薄膜を形成し、プリズムを介して適当な入射角で表面プラズモン共鳴(SPR)あるいは導波モード(GWM)を励振することにより得られる電場増強を用いて、効率良くクロモフォアを励起できる。本研究ではこれを定常および時間分割蛍光の高感度計測システムの構成と応用に展開した。1)励起光としてピコ秒レーザーを用いてSPRあるいはGWM励起時間分割蛍光測定システムを構成した。蛍光強度は励起光入射角に著しく依存し共鳴条件では約2桁増強され、20nm程度の超薄膜中の時間分割蛍光測定が良い精度でできた。2)DNAおよびその疎水化誘導体に蛍光色素を取り込んで固定化した薄膜系のSPR励起蛍光による窒素ガスおよび窒素酸化物ガスの高性能センシングを実現した。3)酸化還元クロモフォアとしてビスピリジニウミルフルオレンを主鎖の一部にもつ高分子化合物を合成した。光照射により可視〜近赤外域に大きな吸収変化が観測され、光電子移動による光通信波長域での吸収制御が実現された。4)ポリビニルアルコールおよびトリシクロデカン高分子中に蛍光色素を微量分散し、超薄膜のSPR・GWM励起による時間分割蛍光測定を行った。表面あるいは界面における蛍光分子の挙動がバルクとはかなり異なることを明らかにした。5)金属薄膜の代わりに低屈折率高分子を用いる新しい導波モード系を提案した。光応答膜として上記3)の高分子を用いて、フェムト秒白色光の反射スペクトル変化が超高速でおきることを確認した。このような結果は、GWMおよびSPRが薄膜に閉込められ電場増強された励起光として、またもう一つの光で制御するための信号光として有用であることを示すものであり、化学センサ、高分子の分子鎖運動性の非接触評価、分子フォトニクスなどへの大きな寄与が期待される。
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