研究課題
本研究者らは、液晶のもつ自発配向性や外場応答性を利用して、π電子共役ポリマーの新しい合成法を開発し、その階層的高次構造を制御し、新規の機能を導出してきた。本研究では、らせん構造と液晶性をもつ芳香族π電子共役系高分子を創成し、液晶性と円偏光二色性および光の三原色(RGB)に対応する発光性を生かして、直性偏光発光のみならず円偏光発光(キラル発光)を有する従来にないプラスティック光学材料を開発することを目的とした。[1]キラル液晶を反応場とする不斉重合法を確立・発展させた。ヘリカルポリアセチレンの合成のみならず、新たに階層的らせん構造をもつ複素環および芳香環共役ポリマーを化学重合および電解重合により合成した。これにより、階層性を有するスパイラル形態の構築や、円偏光発光性(キラル発光)などの新しい光学的性質を発現させた。[2]側鎖に液晶基を導入したポリパラフェニレン誘導体にキラル化合物を添加することで、キラルネマティック液晶に基づくらせん構造を構築し、吸収および発光における光学円偏光二色性を発現させた。さらに、キラル化合物に種々の化学修飾を行うことで、光応答性や温度応答性の性質を付与し、高度なキラルドーパントおよびキラル反応場を構築した。[3]側鎖に直接、長鎖キラル置換基を導入したフェニレン部位あるいはチエニレン部位からなるホモポリマーおよびコポリマーを合成し、主鎖型液晶性を発現させるとともに、主鎖のねじれ、および主鎖間のスタッキング構造におけるねじれに伴う円偏光二色性を得た。
すべて 2006 2005
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