研究課題/領域番号 |
14205136
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
高分子構造物性(含繊維)
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
大野 弘幸 国立大学法人東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究部, 教授 (00176968)
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研究分担者 |
中村 暢文 国立大学法人東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究部, 助教授 (60313293)
松見 紀佳 国立大学法人東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究部, 助手 (40323745)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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キーワード | イオン液体 / 高分子化 / イオン伝導 / アニオントラップ |
研究概要 |
常温で液状の塩(Ionic Liquid)を構成要素とする高分子を合成し、固体フィルム状のイオン伝導材料を設計することを研究目的としている。本年度は、モデル化合物として作成した多くの低分子塩の知見を活かし、新規イオン液体の高分子化を行なった。ビニル基を持つイミダゾリウム塩を各種作成し、これを単独あるいは共重合することで高分子化した。高分子主鎖とイミダゾリウム間にスペーサー構造を導入することや、系のガラス転移温度(Tg)を下げる構造を導入することで、イオンの移動度を向上させることができた。さらに、デバイスとしての応用を考えて、目的イオンを選択的に移動させる系を種々作成した。電位勾配下で移動しないイオン性液体であるzwitterionc型塩とLiTFSIを混合して高分子マトリックスに添加することにより、Liカチオンを優先的に移動させることのできる系を設計した。高分子マトリックス中の塩解離状態はレーザーラマン分光光度計を用いて解析した。これまでに、マトリックスの運動性が向上してもイオン伝導度が上昇しない系については、その原因が明らかにされていなかったが、ラマン分光法により塩解離状態を解析すると、未解離の塩がイオン伝導に悪影響を及ぼしていることが示された。 また、含ホウ素型の高分子を合成することで、電子欠損した部位にアニオンをトラップさせ、カチオンのみを選択的に輸送させる系を作成した。リチウムカチオン輸率は含ホウ素型の全ての系で0.6以上の高い値を得ることができた。 生体機能分子をイオン液体に溶解させることにも成功した。さらに、ポリエチレンオキシドを修飾したチトクロムcをイオン液体中に溶解させ、熱安定性を光導波路分光法により解析し、140℃までならば準可逆的に酸化還元できることも明らかにした。
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