音速近くの流れの解明と制御

2003 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 14205137
• 研究機関: 東北大学
• 研究代表者: 中橋 和博 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00207854)
• 研究分担者: 大林 茂 東北大学, 流体科学研究所, 助教授 (80183028) ; 松島 紀佐 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (40332514) ; 澤田 恵介 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (80226068) ; 吉田 憲司 (独法)航空宇宙技術研究所, 研究員 ; 藤井 孝蔵 東北大学, 宇宙科学研究所, 教授 (50209003)
• キーワード: 音速 / 衝撃波 / CFD / 最適設定 / 遷音速

研究概要

航空機実形状周りの高遷音速流れや弱い衝撃波を伴った流れの数値解析ツールとして、非構造格子に基づくEuler/Navier-Stokesソルバーの拡張および整備を行い、遷音速旅客機の風洞モデルに対するCFD-Workshopにてソルバーおよび乱流モデルの検証を行った。
マッハ数が0.95から0.98近傍の高遷音速域での航空機について、遣伝的アルゴリズム用いた最適化設計を行い、翼面の微妙な凹面形状が高遷音速域において衝撃波の強さを弱め、このことにより揚抗比を大きく改善することを見いだした。
翼後流による抵抗算出法、および衝撃波の数値計算上での可視可法を開発した。
音速近くの流れの新しい高精度数値計算法を開発し、その検証を進めた。
航空機後流に現れる接触不連続面を高精度に捕らえる数値計算法を提案した。
遷音速域の衝撃波と境界層の干渉を計算するための直接計算法についてのアルゴリズム提案を行った。
遷音速翼の空力設計法として、形状定義により自由度を持たせ随伴方程式を用いて最適設計を行う方法を提案した。
逆解法を用いた翼設計法を整備するとともに、層流遷音速翼設計を行って流れの特性を詳細に調べた。

研究成果

• [文献書誌] T.Fujita, K.Matsushima, K.Nakahashi: "Aerodynamic Wing Design of NEXST-2 Using Unstructured-Mesh and Supersonic Inverse Problem"Journal of Aircraft. 40. 25-32 (2003)
• [文献書誌] M.Sun, K.Takayama: "An Artificially Upstream Flux Vector Splitting Scheme for the Euler Equations"Journal of Computational Physics. 189. 305-329 (2003)
• [文献書誌] M.Murayama, K.Nakahashi, K.Yamamoto, T.Iwamiya: "Simulation of Aircraft with Changing Control Surface Deflection at Near-Sonic Speed"Proceedings of the 8th Japan-Russia Joint Symposium on Computational Fluid Dynamics, Sendai. 55-58 (2003)
• [文献書誌] Keisuke Sawada, Naofumi Ohnishi: "Numerical Attempt for Capturing Wing Wake Flows"AIAA Paper. 2004-1094. (2004)
• [文献書誌] 山崎渉, 松島紀佐, 大林茂, 中橋和博: "超音速機の音速域での空力最適化"日本航空宇宙学会論文集. 51-597. 577-581 (2003)
• [文献書誌] Wataru Yamazaki, Kisa Matsushima Kazuhiro Nakahashi: "Aerodynamic Optimization of NEXST-1 SST Model at Near-Sonic Regime"AIAA Paper. 2004-0034. (2004)